(1)「職業訓練センター拡充計画」
セネガル政府は、職業訓練教育の強化を図るため「教育10ヵ年計画(1998年から2008年)」を策定し、国際社会における産業技術の高度化、情報化の進展に伴い、より高度な専門技術資格を有する技術者のニーズに対応するため、直接雇用に結びつく高等教育の一環として、1995年に高等専門教育機関における上級技術者資格(BTS)取得コースの開設を承認した。
職業訓練センターは、1983年にわが国無償資金協力により建設され、中学校卒業者を対象とした電子、電気、機械、自動車整備における3年間の技術者資格(BT)取得コースを開設し、優秀な卒業生を輩出しており、同センターでは、政府の方針に伴い、1999年に、より高度な技術取得を目指す2年制の工業情報技術科および制御技術科の2コースを新設したが、予算上の制約のため、コース新設に伴う施設の拡充が十分に行えない状況にある。
このような状況の下、セネガル政府は、職業訓練センターの施設の拡充および高度な技術訓練のための機材整備を目的とした「職業訓練センター拡充計画」を策定し、この計画に必要な施設建設および関連機材調達のための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、この計画の実施により、職業訓練センターの情報・制御技術者の養成が強化されるとともに、西アフリカ諸国における職業訓練の拠点としての役割が一層強化され、周辺国の技術者の研修機会を拡大し、波及効果も大きくなることが期待される。
(2)「第四次小学校教室建設計画」
セネガル政府は、初等教育の普及を重点課題と位置づけ「教育・訓練10ヵ年計画」を策定し、2010年までに初等教育就学率を100%に引き上げることを目標として、各援助国の支援を受けながら、初等教育環境の改善を実施してきている。
しかしながら、ダカール、ティエス等の都市部における急激な人口増加に対し、教室等の施設が不足しており、1998年の初等教育就学率は61.7%に留まっているほか、都市部では一教室あたりの生徒数が過密になっているため、2部制の授業が行われている状況にある。
このような状況の下、セネガル政府は、就学率の向上および初等教育環境の整備を目的とした「第四次小学校教室建設計画」を策定し、この計画に必要な教室建設および関連機材の調達のための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、この計画の第一期目にはルーガ州18校58教室を、第二期目にはダカール、ティエス州およびファティク州45校146教室を建設し、第三期目である今回は、カオラック州およびファティク州41校119教室の建設を実施するものである。