
モーリタニアの「食糧援助」ほか1件に対する無償資金協力について
平成15年4月3日
- わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「食糧援助」および「債務救済のための無償援助」として、総額3億9,247万7,000円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月2日(日本時間3日)セネガル共和国のダカールにおいて、わが方中島明在モーリタニア大使(セネガルにて兼轄)と先方モハメド・エル・モクタール・ウルド・モハメド・ヤフヤ在セネガル・モーリタニア大使(Monsieur Mohamed El Moctar OULD MOHAMED YAHYA, Ambassadeur de la Repubulique Islamique de Mauritanie au Senegal)との間で行われた。
(1)「食糧援助」 |
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3億円 |
(2)「債務救済のための無償援助」 |
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9,247万7,000円 |
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(1)「食糧援助」
モーリタニアでは、農水産分野に就労する人が労働人口の約53%を占め、国内総生産(GDP)の約27%を生産する基幹産業である。主要作物として、米、ソルガム、トウモロコシ、ミレット、ニエベ等が生産されている。しかし、国土の約85%が砂漠地帯であるため、耕作可能な土地は国土の僅か0.5%にあたる南部セネガル川流域に限られている。また、近年の砂漠化の進行と耕地の疲弊、例年の干ばつ、バッタ等の虫害、クエラ鳥等の鳥害により、主要穀物の生産性は低く、さらに、年間約3%と高い人口増加率により、食糧不足が続き、国内消費の約60%の穀物を輸入に依存している状況にある。
このような状況の下、モーリタニア政府は、食糧不足に伴う米の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(2)「債務救済のための無償援助」
この無償資金協力は、モーリタニア政府が1998年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、2003年3月までに返済期限の到来した元本および約定利息のうちの返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
この無償資金協力により贈与する資金は、モーリタニアの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の購入に使用される。
1978年のTDB閣僚会議においては、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上諸国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置をとるよう努力すべき旨の決議が採択された。今回の無償資金協力は、この決議に鑑み、モーリタニアとわが国の友好協力関係を強化することを目的として、わが国の無償資金協力の一環として実施するものである。
なお、TDB閣僚会議決議に基づく債務救済については、平成15年4月以降に返済期限が到来するものについては、従来の債務救済無償に代えて、国際協力銀行が円借款債権を放棄する方式に変更となる。