
イエメンに対する無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力および債務救済のための無償援助)について
平成15年3月23日
- わが国政府は、イエメン共和国政府に対し、総額13億4,719万1,000円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月23日(日)、サナアにおいて、わが方大木正充在イエメン大使と先方ヒシャム・シャラフ・アブドゥラ計画開発省次官(Mr. Hisham Sharaf Abdulla, Deputy Minister of Planning and Development)との間で行われた。
(1)「ノンプロジェクト無償資金協力」 10億円
(2)「債務救済のための無償援助」 3億4,719万1,000円
- (1)「ノンプロジェクト無償資金協力」
イエメンは、2001年の国民一人あたりGNP(国民総生産)が世銀統計で460ドルという世界で最も貧しい後発開発途上国であり、世銀およびIMF(国際通貨基金)との合意の下で経済構造調整プログラムを実施しており、2002年には「第2次国家開発5カ年計画」を策定し、国家財政の75%を占める原油依存型から工業主導型の産業構造への転換を進める等、貧困削減努力を進めている。
今回のノンプロジェクト無償資金協力は、イエメンの経済構造調整計画の実施を支援するもので、イエメン政府が経済構造改善の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。
(2)「債務救済のための無償援助」
この無償資金協力は、南北統一前のイエメン・アラブ共和国(旧北イエメン)政府が1988年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、2002年7月から10月に返済期限の到来した元本および約定利息のうちの返済額に相当する額を供与するものであり、債務救済措置の一つである。
この無償資金協力により贈与する資金は、イエメンの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の輸入のために使用される。
1978年3月の国連貿易開発会議(UNCTAD)第9回特別貿易開発理事会(TDB)閣僚会議決議においては、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上諸国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置をとるよう努力すべきとの決議が採択された。今回の無償資金協力は、採択された決議の下、イエメンとわが国の友好関係を強化することを目的として、わが国政府の無償資金協力の一環として実施するものである。
なお、TDB閣僚会議決議に基づく債務救済については、平成15年度より、従来の債務救済に代えて、国際協力銀行が円借款再建を放棄する方式に 変更となる。
- 今回の支援は、米国の同時多発テロ以降イエメンが、国際協調の立場から、治安、テロ対策に努力をし、国際社会から高く評価されていることを踏まえて、わが国としても、他の支援国および世銀、IMFと連携しつつ、イエメンを支援するため実施するものである。