
モーリタニア・イスラム共和国の「母子保健改善計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成15年2月25日
- わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国における「母子保健改善計画」(the project for Improving Maternal and Child Health Care in the Islamic Republic of Mauritania)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、2億9,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月25日(火)、ヌアクショットにおいて、わが方中島明在モーリタニア(セネガルにて兼轄)大使に代わる中山同大使館二等書記官と先方スレイマン・ディアロ在モーリタニア・ユニセフ代表(Mr. Souleymane DIALLO, Representative of UNICEF to the Islamic Republic of Mauritania)との間で行われた。
- モーリタニア政府は、保健・医療分野において「保健・社会問題対策大綱」を策定し、1984年から全国規模で予防接種拡大計画を実施するとともに、1997年からマラリア対策キャンペーンを開始するなど、自助努力により徐々に保健・医療政策を推進している。しかしながら、国土の大半を砂漠地域が占めているため、遠隔地の住民にまでワクチンやコールドチェーン機材等が整備されておらず、ワクチン接種率が低迷(結核69%、3種混合28%、ポリオ28%、麻疹20%、妊婦の破傷風予防接種率63%)し、5歳未満児童の死亡率は、1,000人当たり182人、乳幼児死亡率は1,000人当たり118人と劣悪な状態にある。
このような状況の下、モーリタニア・イスラム共和国政府およびユニセフは、ワクチン接種率の向上および予防接種拡大計画支援のため「母子保健改善計画」を策定し、この計画に必要なコールドチェーン機材、注射器、蚊帳等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、モーリタニアの遠隔地にワクチンが供与され、児童、乳幼児および妊産婦の死亡率が改善されることが期待される。
- この無償資金協力は、2000年7月の九州・沖縄サミットにおいて、森喜朗総理大臣(当時)が「沖縄感染症イニシアティブ」を発表し、同イニシアティブにおいてHIV/AIDSおよび結核、マラリア、寄生虫、ポリオ等の感染症対策にODA(政府開発援助)を通じて5年間で総額30億ドルを目処に協力を行う旨表明されたことを踏まえ、わが国のイニシアティブの一環として実施されるものである。