
コンゴ民主共和国の「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成15年2月25日
- わが国政府は、コンゴ民主共和国における「小児感染症予防計画」(the project for Infectious Diseases Prevention for Children in the Democratic Republic of the Congo)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、3億900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月25日(火)、キンシャサにおいて、わが方福島清介在コンゴ民主共和国大使と先方モハメッド・シセ在コンゴ民主共和国・ユニセフ保健プログラム担当上級職員(Dr. Mohamed CISSE, Senior Programme Officer Health of UNICEF to the Democratic Republic of Congo)との間で行われた。
- コンゴ民主共和国では、1998年以来周辺国を巻き込んだ紛争が継続していたが、昨年のプレトリア包括合意により4年に亘る紛争に終止符が打たれた。しかしながら、長期に亘る治安の悪化、政治の不安定および経済の疲弊等により乳幼児に対する予防接種が全国規模で実施されていないため、児童の死亡率は開発途上国の平均に比して劣悪な状況にある。
このような状況の下、わが国は2000年度および2001年度に「ポリオ撲滅計画」としてそれぞれ2億7,400万円、3億800万円をユニセフに対して供与してきたが、コンゴ民主共和国政府およびユニセフは、2003年のポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID:National Immunization Days)および麻疹の予防接種を実施するため、「小児感染症予防計画」を策定し、この計画のためのポリオおよび麻疹ワクチンの調達並びにその活動のモニタリング費用に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、コンゴ民主共和国におけるワクチンの接種率が大幅に向上するとともに、乳幼児の感染症発症数が減少し、死亡率が低下することが期待される。
- この無償資金協力は、2000年7月の九州・沖縄サミットにおいて、森喜朗総理大臣(当時)が「沖縄感染症イニシアティブ」を発表し、同イニシアティブにおいてHIV/AIDSおよび結核、マラリア、寄生虫、ポリオ等の感染症対策にODA(政府開発援助)を通じて5年間で総額30億ドルを目処に協力を行う旨表明されたことを踏まえ、わが国のイニシアティブの一環として実施されるものである。