
タジキスタンの「母子保健改善計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成14年12月16日
- わが国政府は、タジキスタン共和国政府に対し、「母子保健改善計画」(the Project for Improving Maternal and Child Health Care in the Republic of Tajikistan)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際児童基金)に対し1億8,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月16日(月)、ドゥシャンベにおいて、わが方三好功一在タジキスタン臨時代理大使と先方杢尾雪絵在タジキスタン・ユニセフ代表との間で行われた。
- タジキスタンは、1991年の独立以降、政府軍と反政府軍との内戦、干ばつをはじめとする自然災害等の影響で経済状況は悪化しており、その影響で、保健医療サービスの質は低下し、国民の保健・衛生状況は極めて不安定な状態に置かれている。特に、乳幼児死亡率、妊産婦死亡率が中央アジアで最も高い水準であり、母子保健医療分野の早急な立て直しが求められているが、同国における予防接種活動は旧ソ連邦からの独立以降、内戦のためにほぼ壊滅状態となっている。
これに対し、タジキスタン政府は、ユニセフおよびWHO(世界保健機構)の協力のもと、「医療改革プロジェクト」を策定し、国民が等しく保健サービスを受けられるように、貧困対策、基礎医療の強化等を目指しているが、同国政府は人員および財政の状況が厳しく、プロジェクトの実施がなかなか進まない状況にある。
このような状況の下、タジキスタン政府およびユニセフは「母子保健改善計画」を策定し、この計画の実施のためのワクチン等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、タジキスタン全国の子どもおよび妊娠可能年齢の女性計180万人に対する基礎医薬品の供与などを通じて、同国の保健医療サービスの向上が期待される。