
キルギスに対する無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)について
平成14年12月5日
- わが国政府は、キルギス共和国政府に対し、3億円の無償資金協力(ノンプロジェクト無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が12月5日(木)、ビシュケクにおいて、わが方角崎利夫大使と先方エミルラン・トロミルザーエフ 財務省第一次官(Mr.Emirlan Toromyrzaev, First Deputy Minister of Finance)との間で行われた。
- キルギスは1991年の独立以来、市場経済への移行を目指した各種改革に着手した。それによって、マクロ経済は次第に安定に向かっていたが、1998年のロシア経済危機により1999年には物価上昇率が39%に上昇し、国際貿易は滞り、現地通貨ソムは急激な下落に見舞われた。当面の危機は2000年前半にほぼ脱したが、ソムの下落に伴い対外債務残高が相対的に拡大したほか、中期的な国際収支見通しは不透明で、マクロ経済の見通しには厳しさが増している。産業の多様性及び資源に乏しいため経済基盤が脆弱なキルギスにとっては、効果的な経済振興策の実施、構造改革の深化が急務となっている。
このような中、キルギス政府は、世銀の包括的開発フレームワークのスキームを利用した国家開発10カ年計画を実施しているほか、本年には、貧困削減戦略ペーパー(PRSP)が作成され貧困削減に向けた取り組みも進展している。
このような状況下、キルギス政府は、経済構造調整を推進するために必要な商品の購入にかかる資金につき無償資金協力を要請してきたものである。
今回のノンプロジェクト無償資金協力は、キルギスによる経済構造改善および貧困削減を支援するものであり、キルギス政府がその推進に必要な商品を輸入する代金の支払のために使用される。