
フィリピンに対する無償資金協力(セクタープログラム無償資金協力)について
平成14年12月4日
- わが国政府は、フィリピン共和国政府に対し、15億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月4日(水)、東京(官邸)において、小泉純一郎総理大臣およびマガパガル・アロヨ・フィリピン大統領の立ち会いの下、わが方高野幸二郎在フィリピン大使と先方ドミンゴ・シアゾン駐日フィリピン大使(H.E. Mr. Domingo L. Siazon, Jr., Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Republic of the Philippines to Japan)との間で行われた。
- 現在、フィリピン経済は、農業生産の復調や製造業部門の好調もあり、1997年7月のタイ・バーツの下落に端を発したアジア通貨危機の影響から回復基調にあるが、依然として財政収支の悪化、投資の伸び悩み、失業問題、さらに増大するインフレ再燃の可能性等、改善すべき課題が山積している。
特に、フィリピンのミンダナオ地域は、長きにわたる紛争により開発が遅れ、深刻な貧困およびテロの問題に直面しており、ミンダナオ地域の平和と安定はアロヨ政権の重要課題の一つとなっている。わが国は、「貧困との闘い」と「テロとの闘い」を同時に進めるアロヨ政権の政策を強く支持してきており、ミンダナオ地域の貧困からの脱却と平和の定着を実現するため、同地域に対する支援に積極的に取り組むため、このセクタープログラム無償資金協力を実施するものである。
- 今回のセクタープログラム無償資金協力は、世銀、アジア開発銀行等と協調、連携しつつ、経済構造改善努力を継続しているフィリピン政府が、経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。また、見返り資金は、ミンダナオ地域(特に南西部ミンダナオ地域)における平和構築に資する社会経済開発分野のプロジェクトに対して集中的に活用される。