
中国の「大明宮含元殿遺跡保存環境整備計画」に対する文化遺産無償について
平成14年11月21日
- わが国政府は、中華人民共和国政府に対し、「大明宮含元殿遺跡保存環境整備計画」(the Project for Improvement of the Surrounding Area of the Hanyuan Hall of the Daming Palace)の実施に資することを目的として、2億8,000万円を限度とする額の文化遺産無償を行うこととし、このための書簡の交換が11月21日(木)、北京市において、わが方阿南惟茂在中国大使と先方龍永図・中華人民共和国対外貿易経済合作部副部長(Long Yongtu,Vice Minister, Ministry of Foreign Tradeand Economic Cooperation of the People's Republic of China)との間で行われた。
- 大明宮含元殿は唐の都長安城の最大の宮殿である大明宮の正殿として、紀元662年に造営が開始されて以来223年余りの間、国家儀式や外国使節謁見式等の式典が執り行われた場所であり、日本の遣唐使もここで皇帝に接見する等日本との歴史的つながりも非常に深く、遣唐使によって唐より仏教思想や様々な文物・制度が伝えられ、古代日本が都市国家として発展する土台となった。この遺跡は、1995年よりユネスコ日本信託基金により基壇遺構の保存・修復・復元作業が進められており、今年12月に完成し一般公開される予定であるが、遺跡内に存在する窯址には風雨から保護するための覆屋がなく、また出土遺物や資料を展示する資料館も整備されていない状況にある。
このような状況の下、中国政府は、窯址覆屋の建設、資料館の建設、資料館・窯址周辺の道路建設および展示・研究・管理用機材購入のために必要な資金につき、わが国政府に対し文化遺産無償を要請してきたものである。