
ネパールの「カトマンズ上水施設改善計画(2/3期)」に対する無償資金協力について
平成14年11月7日
- わが国政府は、ネパール王国政府に対し、「カトマンズ上水施設改善計画(2/3期)(the project for Improvement of Kathmandu Water Supply Facilities)」に資することを目的として、9億2,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月7日(木)、カトマンズにおいて、わが方神長善次在ネパール大使と先方バヌ・プラサド・アチャリヤ大蔵省事務次官(Mr. Bhanu Prasad Acharya, Secretary, Ministry of Finance, His Majesty's Government of Nepal)との間で行われた。
- ネパール政府は、基礎生活分野の環境改善の一環として、国民に良質な水を供給するための上水道整備事業を推進しており、現在の給水率は都市部で72%、農村部では34%と給水状況の改善が行われている。しかしながら、近年人口増加が著しいカトマンズ盆地においては、水の供給が人口の増加に対応できず、給水量および水質は低下し、給水が行われている地域においても一日当たり1時間から4時間の時間給水となっている。
こうした状況を踏まえ、わが国は、1990年にカトマンズ盆地内の水源拡張と水管理計画策定に関する開発調査を実施し、配水池設置および浄水場建設等の計画を提言したが、未だに一部の浄水場等の整備が具体的な計画に移されておらず、カトマンズ盆地の安定給水を実現するに至っていない。
このような状況の下、ネパール政府は「カトマンズ上水施設改善計画」を策定し、マノハラ川を水源とする新たな浄水場等の建設および既存のシャイブー配水場の配水池等の増設につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、カトマンズ盆地の一人当たりの給水量が一日47リットルから71リットルに向上され深刻な給水事情が緩和され、カトマンズ地方住民の生活環境が改善されることが期待される。