(1)「国道7号線バイパス建設計画(詳細設計)」
マダガスカルの首都タナナリブ市では、年間平均約8%の車輌台数の増加と財政難による劣悪な道路状況により、深刻な交通渋滞が慢性的に発生し、都市機能の維持に甚大な影響を与えている。特に首都から国内第二の都市フィアナランツォアへと伸び、同国の穀倉・工業地帯を横断する国道7号線は、首都から南方約5km地域に位置するタンジュンバト地区において、重度の交通渋滞が慢性的に発生し、物流・運輸の恒常的障害となっている。
このような状況を改善するため、マダガスカル政府は、1998年に「首都圏環状道路整備計画」を策定し、この計画の一環として、国道7号線と、首都と国内最大の輸出港トアマシナとを結ぶもう一つの主要幹線道路である国道2号線とを繋ぎ、タンジュンバト地区を迂回するバイパスの建設を計画しているが、財政難のため実施が困難になっている。
このような状況の下、マダガスカル政府は、首都の慢性的渋滞の緩和と物流の円滑な流れを実現するため「国道7号線バイパス建設計画」を策定し、この計画の詳細設計のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(2)食糧増産援助
マダガスカルにおける農業は、国内総生産(GDP)の34%、労働人口の約76%を占める基本産業となっており、主要作物としては、米、トウモロコシ、キャッサバ等が栽培されている。しかしながら、同国は人口増加が年間約2.8%と著しく、食糧の需要は年々増加しているのに対して、農業の生産性が低いことから食糧自給が追いつかず、輸入に依存している状況にある。このため、マダガスカル政府は農業開発政策「農業食糧政策」および同政策を具体化した「地方開発活動計画」を策定し、農業分野における関係官庁の再編および農業の効率化、農民の組織化・専門化を図るとともに、食糧自給量の目標を一人あたり130キロとして、稲作の普及、灌漑施設の復旧による農業基盤の強化、単位面積あたりの食糧作物の収穫量を増加させるための種子の改良等の実施に努めている。
このような状況の下、マダガスカル政府は、米等の主要食糧作物生産を向上させるための「食糧増産計画」を策定し、この計画のための肥料、農業機械および農薬を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。