
ボスニア・ヘルツェゴビナの「初等学校建設計画(2/2)」に対する無償資金協力について
平成14年8月26日
- わが国政府は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府に対し「初等学校建設計画(2/2)」(Project for Construction of Basic Schools)の実施に資することを目的として、10億8,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月26日(月)、オーストリア共和国のウィーンにおいて、わが方伊集院明夫在ボスニア・ヘルツェゴビナ大使(オーストリアにて兼轄)と、先方アミラ・カペタノヴィッチ在オーストリア・ボスニア・ヘルツェゴビナ大使(Ms. Amira KAPETANOVIC, Ambassador of Bosnia and Herzegovina to the Republic of Austria)との間で行われた。
- ボスニア・ヘルツェゴビナでは、8年間の初等教育がほぼ完全に普及し、その教育システムの水準は高いものであったが、1992年から95年にかけての4年間におよぶ内戦の結果、同国の初等教育施設は戦闘の直接被害により崩壊したり、地雷などの敷設により使用不能となったり、戦時中における野戦病院等に使用されたほか、不十分な維持管理により老朽化し、多大な被害を受けた。また、戦後においても国内外への避難民の移動による人口の変動のため、戦前と同様のシステムを維持することが困難となり、特に、人口変動の多い地区では、未だに二部制、三部制の授業が行われているほか、本来は教育施設ではない仮校舎の使用を余儀なくされている。
このような状況の下、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府は、初等教育施設の建設および必要な教育備品の整備を目的とした「初等学校建設計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。なお、この計画は二期に分け校舎の増築・新築が実施される予定であり、今回は、二期目として6校の普通教室の合計38教室を増築するするものである。
- この計画の実施により、ボスニア・ヘルツェゴビナの初等教育において、三部制授業が解消し、仮教室が廃止され、多くの児童が適切な環境で授業を受けることが出来るようになるとともに、学校の新設により遠距離通学の負担が解消され、新たな就学者の受け入れが容易になることが期待される。