
エジプトの「ギザ市ピラミッド北部地区上水道整備計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
平成14年8月7日
- わが国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、「ギザ市ピラミッド北部地区上水道整備計画 (詳細設計)」(the project for Improvement of Water Supply System at the Northern Pyramids Area in Giza City-Detail Design)の実施に資することを目的として、7,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月7日(水)、カイロにおいて、わが方須藤隆也在エジプト大使と先方ファイザ・アブルナガ外務担当国務大臣(H.E. Mrs. Fayza ABOULNAGA, Minister of State for Foreign Affairs)との間で行われた。
- ギザ市はナイル川をはさんで首都カイロに隣接しているが、カイロに比べインフラ整備が大幅に遅れている。また、地方からの人口流入が近年急激に進み、住環境の改善が緊急の課題となっており、基礎インフラ、特に上下水道網の整備が追いつかない状況にある。
このような状況の中、ギザ市では、1987年に2000年を目標年次としたギザ市上水道マスタープランを策定し、わが国およびフランスの援助で上水道整備を着実に実施してきている。しかし、本計画対象であるピラミッド北部地区は、浄水場から最遠隔地にあるほか、近年の人口増加や開発の急速な進行のため、上水道の整備が追いつかず、ギザ市内で最も給水状態の悪い地域になっている。
このような状況の下、エジプト政府は、ギザ市ピラミッド北部地区における送水幹線敷設、配水場施設の建設および配水管網整備を目的とした「ギザ市ピラミッド北部地区上水道整備計画」を策定し、この計画の実施のための詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- なお、わが国は、これまでギザ市オムラニア地区、モニブ地区、ピラミッド南部地区にギザ市の上水・下水整備の支援を実施しており、今回の計画の実施により、ギザ市の上水、送配水施設整備は完了することとなり、住民一人当たりの給水量が現在の1日当たり50~100リットルから約240リットルに増加するほか、水質の改善によって、地域住民の衛生環境の改善が期待される。