
カザフスタンの「アスタナ市救急医療センター整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年7月11日
- わが国政府は、カザフスタン共和国政府に対し、「アスタナ市救急医療センター整備計画」の実施に資することを目的として、4億5,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月11日(木)、アスタナ市において、わが方角崎利夫在カザフスタン大使と先方トカエフ国務長官兼外務大臣(Mr. Kassymzhomart TOKAEV, State Secretary-Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- カザフスタン国では、国家開発における長期展望を示した国家計画「国民の健康」が策定され、その中で「保健・教育および福祉の充実」が重点目標の一つに掲げられており、病気予防と国民の健康的な生活水準の向上を目指している。これに関連して、同国首都のアスタナ市では同市における医療システムの向上を目的とした「アスタナ市保健医療セクター開発計画」を策定し、救急医療システムの整備を通じた死亡率の減少および救命率の向上を具体的施策として取り上げている。
また、カザフスタンでは人口1万人に対し1台の救急車を配備すると医療指針に明記されているが、現在アスタナ市では人口49万人に対して18台の救急車しか配備されていない状況にある。特にアスタナ市における唯一の緊急医療活動実施センターであるアスタナ市救急医療センターに配備されている救急車は老朽化し、同医療センターが修理を行い、緊急活動を行っているものの、同市での緊急医療活動に支障をきたしている。このため、アスタナ市救急医療センターは新たに救急車を購入しようとしているが予算上の制約のため購入することが困難な状況にある。
このような状況の下、カザフスタン政府は、アスタナ市の救急医療活動の改善向上を目的として「アスタナ市救急医療センター整備計画」を策定し、救急車および搭載用医療機材の購入のための資金につきわが国政府に対して、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、アスタナ市の住民49万人に対する救急医療サービスの改善がなされ、その活動が一層促進されることが期待される。