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フィリピンの「北部ルソン地方道路橋梁建設計画(2/2期)」ほか2件に対する無償資金協力について

平成14年6月26日

  1. わが国政府は、フィリピン共和国政府に対し、「北部ルソン地方道路橋梁建設計画(2/2期)」、「第二次地震・火山観測網整備計画(2/2期)」および「地方都市水質改善計画(1/2期)」の実施に資することを目的として、総額33億6,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月26日(水)、マニラにおいて、わが方高野幸二郎在フィリピン大使と先方テオフィスト・ギンゴナ副大統領兼外務長官(Teofisto T. Guingona Jr., Vice President and Secretary of Foreign Affairs)との間で行われた。

    (1) 「北部ルソン地方道路橋梁建設計画(2/2期)」
    (the project for Construction of Bridges along Rural Roads in Northern Luzon)
    供与限度額 16億6,400万円 
      (平成14年度 7億2,900万円)
    (平成15年度 9億3,500万円)
    (2) 「第二次地震・火山観測網整備計画(2/2期)」
    (the project for Improvement of Earthquake and Volcano Monitoring System(Phase II))
    供与限度額 9億1,000万円 
    (3) 「地方都市水質改善計画(1/2期)」
    (the project for Improvement of Water Quality in Local Areas)
    供与限度額 7億9,500万円 


  2. (1)「北部ルソン地方道路橋梁建設計画(2/2期)」

     フィリピン政府は、インフラ整備による都市・地方間の格差是正を目標の一つとして掲げ、貧困撲滅、雇用機会の増大に取り組んでいる。その中でも、地方部において住民の移動と物資の輸送に利用される地方道路網の整備が重要となっているが、地方道路は舗装の遅れと並んで橋梁の未整備が大きな問題となっており、住民の移動や農作物の出荷、生活必需品等の輸送を含む経済社会活動に大きな支障を来している。
     このような状況の下、フィリピン政府は「北部ルソン地方道路橋梁建設計画」を策定し、この計画のための橋梁用鋼材の調達および橋梁の建設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、北部ルソン地方において、地域間の人の移動および物流を円滑にする橋梁が整備され、対象地域において住民の生活環境改善や地域経済の発展が図られ、フィリピンにおける地域間格差是正にも寄与することが期待される。

    (2)「第二次地震・火山観測網整備計画(2/2期)」

     フィリピンは環太平洋地震・火山帯に位置しており、大地震とそれに伴う津波、火山噴火等による被害を受けやすい状況にあることから、地震・火山観測網整備は、フィリピンにおける喫緊の課題となっている。しかしながら、既設の地震・火山観測地点は数が少なく、観測用機材も限られていることから、地震や火山噴火の情報を正確に把握し、その情報を国民に対して迅速に発信することが困難な状況にある。
     このような状況の下、フィリピン政府は「第二次地震・火山観測網整備計画」を策定し、この計画のための既設地震・火山観測所における観測機材の拡充および地震・火山観測地点の新設等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、フィリピンにおける地震や火山活動の検知能力が向上するとともに、周辺住民に対する的確な避難勧告の発信や災害発生時の迅速な対策を講じることが可能となり、災害に伴う被害軽減にもつながることが期待される。また、わが国としても、津波や火山噴火に関する適切な情報を入手することが可能となり、航空機の安全航行にも寄与するものである。
     なお、わが国は、平成10年度の無償資金協力により、基本的な観測体制の構築を目的とした既設地震・火山観測所の機材更新およびデータ処理・解析システムの整備を実施している。

    (3)「地方都市水質改善計画(1/2期)」

     フィリピンでは、上水道の水源として水量の安定した深井戸を利用している場合が多いが、一部の地域では地質的に高濃度の鉄分・マンガン等が地下水に含まれている。そのような地域では、地下水の塩素による殺菌効果が低下するため、有色で臭みの強い水が供給されており、住民にとって衛生的な上水道サービスが提供されていない状況にある。その結果、住民の中には独自の浅井戸により生活用水を確保するものもいるが、浅井戸が生活排水によって汚染され、伝染病が蔓延する可能性についても懸念されている。
     このような状況の下、フィリピン政府は「地方都市水質改善計画」を策定し、深井戸の鉄分・マンガン等の除去設備およびその他関連施設・機材の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、地下水に含まれる鉄分・マンガン等が適切に除去され、塩素による殺菌も効果的に行われることとなり、衛生的で安定した水供給が可能となる。またそれに伴い、水因性伝染病が減少することも期待される。
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