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中国の「広西天湖貧困区貧困救済計画」に対する無償資金協力について

平成14年6月24日

  1. わが国政府は、中華人民共和国政府に対し、「広西天湖貧困区貧困救済計画」(The project for support of combat with poverty at Tian Hu poor areas in Guangxi Zhuang Autonomous Region)のため、6億7,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月24日(月)、北京において、わが方阿南惟茂在中国大使と先方龍永図対外貿易経済合作部副部長(Long Yongtu, Vice Minister, Ministry of Foreign Trade and Economic Cooperation)との間で行われた。

  2. 中国は「社会主義市場経済」体制を確立し、めざましい経済発展を遂げているが、急速な市場経済化の進展は沿海部と内陸部の著しい経済格差を生みだしている。このため、中国では未だに世銀による貧困ライン(一人一日当たり所得1ドル)以下の人口が2億人以上存在し、地域間格差の是正が大きな政策課題となっている。
     今回の計画対象である広西天湖貧困区は広西壮族自治区の最北端に位置し、少数民族と貧困人口の多い広西壮族自治区の中でも最も深刻な貧困地域であり、人口の約70%の約9万4,000人が年収850元(約1万3,000千円)以下の貧困層の住民である。同区は、全体の7割以上を石山が占めているカルスト地形であり、飲料水となる水源が少なく、婦女子が遠くの水源まで水汲みに行くという過酷な労働を強いられており、貧困からの脱却に向けての一つの深刻な問題となっている。また、電力供給のための配電機材の設置も資金不足から遅れている状況にある。
     このような状況の下、中国政府は、貧困脱却を目指すモデル的な計画として「広西天湖貧困区貧困救済計画」を策定し、給水、配電機材等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、約7万5,000人の最貧困住民に給水、電力供給が行われ、基礎的な生活条件の改善、水汲みなどの重労働からの開放、水因性疾患の減少等が図られることが期待される。
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