
バングラデシュの「地方道路橋整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年6月19日
- わが国政府は、バングラデシュ人民共和国政府に対し、「地方道路橋整備計画 (the project for Improvement of Steel Bridges for Roads in Rural Areas)」の実施に資することを目的として、3億6,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月19日(水)、ダッカにおいて、わが方小林二郎在バングラデシュ大使と先方アニスル・ハック・チョードリー大蔵省経済関係局次官(Mr.Anisul Huq Chowdhury, Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance)との間で行われた。
- バングラデシュの国内輸送は約6割が道路輸送に依存している状況にある。同国の第五次5ヵ年計画(1997/98年度~)の国家レベルの目標の1つとして民間部門の経済活動を促進するインフラ等の整備が掲げられており、同国産業や社会経済活動を支える中心として道路網の整備の重要性は高い。しかしながら、同国の地方道路は、橋梁の整備が不十分なため、雨季には長期にわたり通行不能になることも多い。1998年夏に発生した大規模洪水は、バングラデシュ政府が発表した災害対策・救援省の統計によれば、全国64県中52県に被害を及ぼし、道路被害は約7,000ヵ所に達し、多くの橋梁が流出した。運輸省道路局管轄の道路に関しては、道路9,622kmが冠水、道路堤防4,329km、舗装道路4,244kmが被害を受けた。
このような状況の下、バングラデシュ政府は「地方道路橋整備計画」を策定し、この計画を実施するための76橋梁(約1,990m)の上部工部材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、これまでの渡船、竹橋などの渡河手段から、安全で常時通行可能な交通手段に代わり、周辺住民の学校、病院などの公共施設へのアクセスが改善されるとともに、地方村落部と都市部とのアクセスが向上することから、農業をはじめとする地域の生産活動、関連流通・サービス業が活性化することが期待される。
- なお、平成13年度には、47橋梁について同様の支援を実施している。