
シリアの「第二次ダマスカス郊外県給水開発計画(2/2期)」に対する無償資金協力について
平成14年6月17日
- わが国政府は、シリア・アラブ共和国政府に対し、「第二次ダマスカス郊外県給水開発計画(2/2期)(the Project for Improvement of Water Supply in the Rural Province of Damascus(Phase II))の実施に資することを目的として、4億4,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月17日(月)、ダマスカスにおいて、わが方天江喜七郎在シリア大使と先方タウフィーク・イスマイル企画庁長官(Dr. Toufik ISMAIL, Head of the State Planning Commission)との間で行われた。
- 首都ダマスカス市に隣接するダマスカス郊外県では、急速な都市化と人口増加(年4%)が進んでいるにかかわらず、近くに適当な水源が存在せず、給水体制が不十分なため、住民は浅井戸を使用せざるを得ない。加えて、過剰揚水による水位低下が進行し、宅地化に伴う水質汚染も深刻化しており、水因性の伝染病の発生などが危惧されている。
住宅公共事業省ダマスカス郊外県上下水道公団はかかる状況の改善のため水源開発に努めているが、新興住宅地の給水網の整備にその予算の多くを割かざるを得ないため、遠方に位置する有力水源からの送水管の敷設に必要な資機材の調達を十分行えない状況にある。
このような状況の下、シリア政府はダマスカス郊外県内で特に人口増加率が激しく、配水が十分行われていないグータ・ガルビーエ地区への給水状況を改善するため、約35km遠方の水源を活用するために必要な給水管整備を目的として、「第二次ダマスカス郊外県給水開発計画」を策定し、本計画実施のための資機材(送水管、揚水ポンプ等)調達に必要な資金につき、わが国に無償資金協力を要請した。これを受けてわが国は平成12年度同計画(1/2期)(供与限度額13億700万円)に協力した経緯があり、今回は同計画の2期目である。
- この計画の実施により、ダマスカス郊外県グータ・ガルビーエ地区の住民21万6,000人に対して安全かつ安定した給水が可能となり、住民一人あたりの使用可能水量が最大1日当たり約83リットルから約125リットルに増加すること等が期待される。