国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

モンゴルの「短波ラジオ放送網整備計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成14年6月17日

  1. わが国政府は、モンゴル国政府に対し、「短波ラジオ放送網整備計画」および「第二次初等教育施設整備計画(1/2期)」の実施に資することを目的として、総額20億2,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月17日(月)、ウランバートルにおいて、わが方當田達夫在モンゴル大使と先方エルデネチョローン外務大臣(Luvsan Erdenechuluun, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。

    (1) 「短波ラジオ放送網整備計画」
    (the project for Improvement of Shortwave Radio Broadcasting Network)
    供与限度額  11億2,700万円
    (2) 「第二次初等教育施設整備計画(1/2期)」
    (the project for Improvement of Primary Education Facilities(Phase II))
    供与限度額 9億200万円


  2. (1)「短波ラジオ放送網整備計画」

     モンゴル政府は、国家政策に関する情報や気象・災害情報等の様々な情報を全国民に等しく提供することを優先施策の一つとしているが、国民の過半数を占める遊牧民の多くは、道路・通信等の経済インフラの整備されていない遠隔地に居住していることから、新聞や雑誌等をはじめ、テレビからも情報を得ることは極めて困難な状況にあり、遊牧民にとってはラジオが貴重な情報収集手段となっている。しかしながら、モンゴルにおける既存のラジオ放送設備は、1960年代以降に旧ソ連の援助によって整備されたものが多く、老朽化が進んでいる。そのため、ラジオ放送送信設備の出力が年々減少し、ラジオ放送を受信可能な範囲も急速に縮小する傾向にあり、特に遠隔地に対するラジオ放送を通じた情報提供については、十分に実施できていない状況にある。
     このような状況の下、モンゴル政府は、維持管理費用を抑えながら効率的にラジオ放送を通じた情報提供を行うため、「短波ラジオ放送網整備計画」を策定し、そのための短波ラジオ放送送信機材等の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、急速に縮小しているラジオ放送の受信可能範囲が拡大し、遠隔地に居住している住民に対しても情報収集手段を提供することが可能となる。また近年、大規模な雪害により大きな被害を受けてきた遊牧民がラジオ放送を通じて気象情報等を入手可能となり、将来的には自然災害等による被害の低減にも寄与することが期待される。

    (2)「第二次初等教育施設整備計画(1/2期)」

     モンゴルでは、近年の都市への急激な人口流入により、特に初等教育施設における教室数不足が深刻化している。さらにモンゴル政府は、初等学校への入学年齢を、現行の8歳から国際的な標準である6歳まで段階的に引き下げる計画を有しているため、今後さらに学習環境が悪化することが懸念されている。
     このような状況の下、モンゴル政府は首都ウランバートル市に次ぐ都市を有するオルホン県およびダルハン・オール県を対象とした「第二次初等教育施設整備計画」を策定し、この計画のための教室建設および教育用機材等の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、オルホン県およびダルハン・オール県に新たな60教室が建設され、約4,300人の生徒を収容することが可能となる。また3部制の授業が解消され、教育環境の改善に寄与することが期待される。
     なお、わが国は、平成11年度から平成13年度にわたり、無償資金協力によって、首都ウランバートル市を対象とした教室建設および教育用機材と基礎的教材の整備を実施している。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る