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カンボジアの「プノンペン市周辺村落給水計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成14年6月13日

  1. わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「プノンペン市周辺村落給水計画」および「第三次地雷除去活動機材整備計画」の実施に資することを目的として総額15億8,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月13日(木)、プノンペンにおいて、わが方小川郷太郎在カンボジア大使と先方ハオ・ナムホン上級大臣兼外務国際協力大臣(H. E. Mr. HOR Namhong Senior Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。

    (1) 「プノンペン市周辺村落給水計画」
    (the project for Rural Drinking Water Supply in Peri-Urban of Phnom Penh City)
    7億8,400万円
    (2) 「第三次地雷除去活動機材整備計画」
    (the project for Improvement of Equipment for Demining Activities(Phase III))
    7億9,800万円


  2. (1)プノンペン市周辺村落給水計画

     カンボジアでは、1970年から約20年間に及んだ国内紛争の影響による地方組織の弱体化、農村基盤施設の荒廃により、給水整備が立ち遅れており、地方住民は、飲料水を雨水、河川水、池・湖等の自然水源の他、浅井戸、溜池に依存している。しかしながら、これらの水源は大腸菌などに汚染されており、衛生状態の悪化による水因性疾患の発生率も高い。さらに乾期の水不足も深刻で、地域の貧困状況の停滞もしくは活力ある農村社会基盤形成の障害となっており、安全な飲料水供給を可能とする地下水開発・井戸建設が急務となっている。このような状況の中、カンボジア政府の農村開発省(MRD)は「第1次地方給水5カ年計画」(1996年から2000年)に引き続き、「第2次地方給水5カ年計画」(2001年から2005年)を策定し、地方給水率を29%(1999年)から40%まで改善することを目標としている。
     このような状況の下、カンボジア政府は、わが国が行った開発調査「南部地下水開発計画調査」の結果も踏まえ、人口も多く、特に優先度が高いプノンペン市周辺の60村落の内、35村落に対し、ハンドポンプ付深井戸の建設およびそれに必要な機材の調達を目的とした「プノンペン市周辺村落給水計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につきわが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)第三次地雷除去活動機材整備計画

     カンボジアにおいては和平達成から10年以上経った現在でも400から600万個の地雷が埋設されているとされ、完全撤去には百年単位の期間が必要と言われている。このため、住民の安全な生活を確保し、再定住を促進することや地雷被災者を支援することは、社会経済を発展させる上で緊急の課題と認識されている。
     このため、カンボジア政府は国家地雷活動戦略プランを策定し地雷除去活動を重要政策の一つと位置付けており、これを受けて1992年に国連カンボジア暫定機構(UNTAC)の全面支援のもとで設立されたカンボジア地雷対策センター(CMAC)等が地雷除去活動や住民に対する啓蒙活動を実施した結果、地雷被災者は減少している。(1996年2,957人→2001年809人)
     しかしながら、現在使用しているCMACの機材はUNTAC時代(1993年以前)に調達されたものも多く、老朽化が激しく、機材の不具合のため地雷除去の作業効率が低下している。
     このような状況の下、カンボジア政府は、老朽化したCMACの機材の更新および地雷除去をより効率的に、また、安全に行うための機材の調達を目的とした「第三次地雷除去活動機材整備計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につきわが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
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