国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

ナイジェリアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成14年6月3日

  1. わが国政府は、ナイジェリア連邦共和国における「小児感染症予防計画」(the project for Infectious Disease Prevention for Children)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、3億6,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月31日(金)、アブジャにおいて、わが方松井啓在ナイジェリア大使と先方クリスティアン・ヴォマール在ナイジェリア・ユニセフ代表(Dr. Christian Voumard, Representative of the UNICEF Office in Nigeria)との間で行われた。

  2. 世界のポリオ撲滅活動は着実に進展しているが、南西アジア地域およびアフリカ地域では未だにポリオ患者が多く発生している。ナイジェリアの予防接種は、1996年以降は各援助国・機関等の協力のもと、ポリオの発症に対するモニタリング体制が整備されたこともあり、ポリオの発生件数は1998年の312件から2000年には637件と一時的に増加したものの、ポリオ・ワクチン全国一斉投与(NID)による接種率の向上の成果として2001年の発生件数は51件と減少した。しかし、ナイジェリアはアフリカにおいて最も人口が多く、また人口移動も盛んであるため、他国への感染を防ぐ意味でも同国でのポリオ対策の実施の必要性は非常に高い。このため、引き続きNIDの実施が必要とされており、ナイジェリア政府、世界保健機構(WHO)およびユニセフは、2001年9月から11月の間に第3回および第4回NIDの実施を予定している。しかしながら、感染症を予防するワクチンの通常接種に用いる同国のコールドチェーン機材は老朽化あるいは故障しており、一般予防接種の再活性化のためには新たな機材の購入が必要となっている。
     このような状況の下、ナイジェリア政府、ユニセフおよびわが国との間でナイジェリアにおける2002年第3回および第4回NID、ワクチン通常接種への援助の可能性につき検討が行われた結果、ナイジェリア政府およびユニセフは、「小児感染症予防計画」を策定し、この計画のためのポリオ・ワクチンおよびワクチン通常接種強化支援に関するコールドチェーン関連機材の調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、約790万人の5歳未満児に対するポリオ・ワクチンの接種が可能になるほか、ワクチン通常接種計画におけるワクチンの保存状態が改善され、その損失を減らすことが可能になる。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る