
メキシコの「モンテ・アルバン、パレンケ、テオティワカンその他の地域における考古学活動用機材整備計画」に対する文化遺産無償協力について
平成14年6月1日
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わが国政府は、メキシコ合衆国政府に対し、「モンテ・アルバン、パレンケ、テオティワカンその他の地域における考古学活動用機材整備計画」(
Proyecto de Consolidacion del equipamiento para las actividades arqueologicas en Monte Alban, Palenque, Teotihuacan y otras zonas arqueologicas)の実施に資することを目的として、2億3,190万円を限度とする額の文化遺産無償協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月31日(日本時間6月1日)、メキシコ市にある国立人類学博物館において、わが方堀村隆彦在メキシコ大使と先方ミゲル・マリン・ボッシュ・アフリカ・アジア太平洋・欧州・国連担当外務次官(Miguel Marin Bosch,Subsecretario para Africa, Asia-Pacifico,Europa y Naciones Unidas de la Secretaria deRelaciones Exteriores)との間で行われた。
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メキシコ国全体の文化遺産では、都市や農地の拡大による遺跡の破壊、盗掘の被害、熱帯湿潤気候に位置する遺跡での植生と湿気による褪色、剥落等が後を絶たず、早急な調査と登録作業が必要とされている。しかし、20万ヵ所と推定されている考古学サイトの登録作業は、約3万2,000ヵ所しか終了しておらず、過去3年間の年間平均登録数1500ヵ所から試算すると、すべての考古学サイトの登録までにあと112年かかる計算となり、遺跡のさらなる破壊、消滅を防ぐため、調査・登録作業の加速化が急務となっている。
しかしながら、遺産の保存については、技術的に近年非常に発達してきているが、メキシコにおいては財政的理由から、新技術や新機材の導入が困難となっている。
このような状況の下、メキシコ政府は、「モンテ・アルバン、パレンケ、テオティワカンその他の地域における考古学活動用機材整備計画」を策定し、この計画にもとづく考古学サイトの調査および登録作業に必要な機材(測量機材、車輌等)を整備するために必要な資金につき、わが国政府に対して文化遺産無償協力を要請してきたものである。