
ガーナの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成14年5月31日
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わが国政府は、ガーナ共和国における「小児感染症予防計画」(the project for Infectious Disease Prevention for Children)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、1億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月31日(金)、アクラにおいて、わが方野呂元良在ガーナ臨時代理大使と先方ラメシュ・シュレッサ在ガーナ・ユニセフ代表(Dr. Ramesh Shrestha, Representative of the UNICEF in Ghana)との間で行われた。
- 世界のポリオ撲滅活動は着実に進展しているが、南西アジア地域およびアフリカ地域は未だにポリオ患者が多く発生している。このため、ガーナ政府は、「ポリオ撲滅5年計画」を策定し、世界保健機構(WHO)の地域戦略を踏まえ、ユニセフ等国際機関、援助国、NGO(非政府組織)等の支援を受け、1996年から5年間にわたってポリオ・ワクチン全国一斉投与(NID)を実施している。現在、これらのNIDでは100%に近い接種率を記録しており、その成果もあって2001年にはその発生はみられなかった。しかしながら、この状況を維持するため、リスクの高い26地区を対象に、2002年には10月および11月にそれぞれ第1回および第2回の地域を限定して行うNID(subNID)を実施することが必要とされている。
また、ガーナでは、麻疹の流行が子どもの健康に深刻な影響を与えており、2000年には5歳未満の幼児の11.4%が麻疹で死亡していると見積もられている。このため、ガーナ政府は、ユニセフの指導のもと、麻疹対策強化計画を実施しており、今年度は、生後9ヵ月から15歳以下の子ども全てに対する麻疹予防接種を、昨年度実施済の中部州を除く9州で実施する予定である。
このような状況の下、ガーナ政府、ユニセフおよびわが国との間でガーナにおける第1回および第2回subNID、麻疹予防接種への援助の可能性につき検討が行われ、その結果、ガーナ政府およびユニセフは、「小児感染症予防計画」を策定し、第1回および第2回subNID実施に必要なポリオ・ワクチン、麻疹対策に必要な麻疹・ワクチンの調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、約106万人の5歳以下の児童へのポリオワクチンの接種、約270万人の子どもに対する麻疹ワクチンの接種が可能になる。