国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

ベナンの「予防接種拡大計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成14年4月25日

  1. わが国政府は、ベナン共和国政府に対し、「予防接種拡大計画」の実施に資することおよび「食糧援助」として総額4億4,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、4月25日(木)コトヌにおいて、わが方黒川祐次在ベナン大使と先方コラウォレ・アントワーヌ・イジ外務・アフリカ統合大臣(KOLAWOLE ANNTOINE IDJI, Ministre des Affaire etrangeres et de l'Integration africaine)との間で行われた。

    (1) 「予防接種拡大計画」
    (Projet d'appui au Programme elargi de vaccination)
    供与限度額:3億1,300万円

    (2) 「食糧援助」
    供与限度額:1億3,000万円


  2. (1)「予防接種拡大計画」

     ベナンの保健・医療指標は、5歳未満児の死亡率が1,000人当たり156人、乳 児死亡率も1,000人当たり99人と高く、開発途上国の平均(95人および64人)と比較 して、依然として劣悪な状態にある(1999年調べ)。
     このような状況を改善するため、ベナン政府は国民の保健医療サービスを需要・供給の両面から「2000-2002年予防接種拡大3ヵ年計画」を策定し、1歳未満児に対する予防接種率を、3種混合ワクチンを80%、麻疹を90%、妊婦に対する破傷風を90%に引き上げるとともに、コールドチェーン機材を末端施設まで普及させる等の目標を掲げ、保健医療政策の推進を行っている。
     しかしながら、ベナンの厳しい財政状況の下では、予防接種率を向上させるに必要な資機材供給と人員教育を十分行うための予算が不足しており、保健活動は計画通りには進んでいない。また、黄熱病、髄膜炎等の流行への対策に予算が割かれて、毎年の予防接種活動に必要なワクチンの調達も滞りがちであり、地方の末端における予防接種率は3種混合ワクチンが59%、麻疹が52%、妊婦破傷風が63%と低い水準に留まっている。
     このような状況の下、ベナン政府は、3種混合ワクチン、麻疹および妊婦破傷風等のワクチンの調達およびコールドチェーン機材等の拡充による予防接種率の向上と乳幼児死亡率の低減を図る「予防接種拡大計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)「食糧援助」

     ベナンでは、食糧安全保障が国家の重要課題の一つと位置づけられているが、農業基盤が未整備で自然条件の影響を受けやすいことから、農業生産性は低い上、常に不安定な状況にある。また、人口増加率が年3%と高く、農業生産が人口増加に追いついていない。 このため、同国では米や小麦といった食糧を輸入に依存しているが、輸入した食料では不足分を満たすことは出来ず、慢性的な食糧不足の状況が続いている。
     このような状況の下、ベナン政府は食糧不足に伴う米を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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