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インドネシアに対する無償資金協力(「インドネシア・テレビ公社(TVRI)ジャカルタ局報道部放送設備整備計画」ほか2件)について

平成14年4月25日

  1. わが国政府は、インドネシア共和国政府に対し「インドネシア・テレビ公社(TVRI)ジャカルタ局報道部放送設備整備計画」、「インドネシア共和国の地方分権化研究計画」、および食糧増産援助の実施に資することを目的として、総額18億5,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が4月25日(木)、ジャカルタにおいて、わが方堂道秀明在インドネシア臨時代理大使と先方マカリム・ウィビソノ外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長(Mr.Makarim Wibisono, Director General of Asia Pacific and Africa Department of Foreign Affairs)との間で行われた。

    (1) 「インドネシア・テレビ公社(TVRI)ジャカルタ局報道部放送設備整備計画」
    (Project for Improvement of Broadcasting Equipment for Television of the Republic of Indonesia(TVRI) JAKARTA News Division)
    供与限度額:5億3,900万円


    (2) 「インドネシア共和国の地方分権化研究計画」
    (Project for Research on decentralization of the Republic of Indonesia)
    供与限度額:1億1,700万円


    (3) 「食糧増産援助」
    供与限度額:12億円


  2. (1)「インドネシア・テレビ公社(TVRI)ジャカルタ局報道部放送設備整備計画」

     インドネシアは2億人を超える人口、多数の島々および民族から構成されており、「放送」は国家の統一および現代化を進める上で最も効果的な情報提供の手段となっている。
     TVRIは国営テレビとして1962年に設立され、現在は国営から公社化されているが、その放送エリアは国民の人口比の8割以上をカバーしており、公共放送として重要な役割を果たしている。
     しかしながら、TVRIの放送設備は長年の使用を経た老朽化の進んだアナログ機器であり、早急な更新が最大の課題となっている。また、報道部に保管されている過去の貴重な映像資料を適切な状態で保管、データベース化し、今後の番組制作等に活用できるシステムの整備も重要な課題である。
     このような状況の下、インドネシア政府は、「インドネシア・テレビ公社(TVRI)ジャカルタ局報道部放送設備整備計画」を策定し、TVRIの報道部の老朽化した放送機器のデジタル機器への更新ならびにテープ保管システムの整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施によりTVRIの報道番組の向上、過去の映像資料の保存と活用が図られることが期待される。

    (2)「インドネシア共和国の地方分権化研究計画」

     1998年、32年間に亘り権威主義的中央集権体制を敷いたスハルト政権の崩壊後に誕生したハビビ政権は、透明性と説明責任の高い行政への転換、改革を推進することとし、1999年1月には政治関連の3法案が改正され、同年5月には地方自治法(99年法律第22号)、中央地方財政均衡法(99年法律第25号)が成立し、地方政府、地方議会に大幅な権限委譲がなされた。
     また、東ティモールの分離独立が承認されたのを始め、アチェ特別州、イリアンジャヤでも独立の動きが続く等地方における不安定要因に加え、天然資源を抱える地方の州はより多くの利益の配分、自治の要求を行っており、地方分権化政策は国家維持の観点から重要な課題となっている。
     2001年には小泉純一郎総理大臣とメガワティ大統領の会談の結果、「インドネシア経済政策支援チーム」が結成され、インドネシア政府とわが国有識者が政策対話を行う仕組みを創設し、その課題の一つとしてインドネシア政府が抱える極めて深刻な問題である地方分権問題が取り上げられることとなった。
     このような状況の下、インドネシア政府は「インドネシア共和国の地方分権化研究計画」を策定し、地方自治制度に関する政策に必要な提言を行うための研究に必要な資金につきわが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、地方分権問題に対して、政策提言を行うことで地方分権の安定に貢献できる。

    (3)「食糧増産援助」

     インドネシアの農業は、1984年にコメの自給目標を達成したことを対外的に宣言した後、経済の著しい成長もあり、主に2次食用作物が増産の対象となっていた。しかし、1997年のアジア経済危機に加え、同年夏の厳しい干ばつのため、1998年にはわが国からコメの緊急援助を受けるなど、安定的な食糧供給が出来ない状態にある。
     このため、現在同国の食糧政策である「農業開発計画」(2001から2004)では、2次食用作物に加えて、再度、コメに重点を置いている。
     このような状況の下、インドネシア政府は、スマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島等、計10の州を対象に、コメ等の増産を目的とした「食糧増産計画」を策定し、この計画に使用される肥料を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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