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ベトナムの地雷除去案件「ホーチミン道路計画に係る灌木除去機及び関連機材整備計画」に対する無償資金協力について

平成14年4月22日

  1. わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「ホーチミン道路計画に係る灌木除去機及び関連機材整備計画(the project for Procurement of Bush Cutter and Related Equipment for Ho Chi Minh Highway Project)」の実施に資することを目的として、14億5,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、4月22日(月)、ハノイにおいて、わが方山崎隆一郎在ベトナム大使と先方レー・ゴック・ホアン交通運輸大臣(Mr. LE NGOC HOAN, Minister of Transport)との間で行われた。

  2. ベトナムの発展には、戦時中の破壊等により荒廃した交通インフラの整備が不可欠であり、交通運輸省は道路整備5ヵ年計画を策定し、優先度の高い5,000kmの道路整備を図り、地域格差の是正を主な目標としている。
     ベトナムは南北に細長い地勢から、北部と南部を結ぶ南北幹線道路の整備は重要であり、現在、国道1号線が整備されているものの、雨季の洪水により度々寸断され、社会経済活動に大きな影響を及ぼしている。ベトナム政府は、2つ目の南北幹線道として北部のカオバンから南部のカマウを結ぶ総延長約2,800kmの「ホーチミン道路」を建設している。しかしながら、ホーチミン道路建設予定地には、戦時中に埋設された地雷(不発弾も存在する)が大量に残っており、地雷除去作業が道路建設の円滑な進行の妨げになっている。
     地雷除去作業は、地雷原に繁茂する灌木の除去、地雷探査、地雷除去という一連の作業からなっており、現在、大部分を人力により実施している。なかでも灌木除去作業は全作業量の7割近くを占め、膨大な時間、コストを要することに加え、地雷誘爆による人的危険性が非常に高い。このため、ベトナムでは、地雷除去用機材の購入を希望しているが、予算上の制約のため困難な状況にある。
     このような状況の下、ベトナム政府は、「ホーチミン道路計画に係る灌木除去機及び関連機材整備計画」を策定し、この計画のための灌木除去機材等の調達のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、灌木除去作業にかかる時間、コストの低減と共に作業員の安全性向上が図られ、地雷除去作業の効率的実施により、ホーチミン道路建設促進に資することが期待される。
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