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キルギスに対する無償資金協力(食糧増産援助)について

平成14年4月19日

  1. わが国政府は、キルギス共和国政府に対し、3億円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が4月19日(金)、ビシュケクにおいて、わが方森敏光在キルギス大使と先方エミルラン・トロミルザーエフ財務省第一次官(Emirlan Toromyrzaev, First Deputy Minister of Finance, Kyrgyz Republic)との間で行われた。

  2. キルギスは、1991年に旧ソ連から独立した後、市場経済化への転換を図っているが、様々な関係を有するロシアの経済悪化の影響もあり、激しい経済不振に見舞われている。また、キルギスは、産業の多様性がなく、また資源に乏しいことから経済基盤が脆弱であり、同国の構造改革は困難に直面している。このため、キルギス経済は本来的に農業に大きく依存しており、農業生産が国民総生産の45%を占めている。これに対し、キルギスは国土の40%が海抜3,000メートルを超えており、耕作に適する農地は全国土の7%に過ぎない状況にある。 キルギス政府は、このような厳しい状況を打開するため、2010年までの国家総合開発計画の中で農業開発計画を優先項目に挙げ、優良種子を導入することにより主要食用作物である小麦の生産性を向上させることで稀少な耕地を有効に活用するとともに、農産物加工業の育成によって貧困農民の雇用の拡大を図っている。
     しかしながら、多くの農民にとっては商業ベースで農業機械を調達する経済的余裕がなく、実際の農作業は既に耐用年数を超えた旧ソ連時代の農業機械に頼らざるを得ないのが現状況であり、小麦の生産収入増加のため、農業機械の更新が求められている。
     このような状況の下、キルギス政府は、主要作物である小麦の増産に使用する農業機械を調達するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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