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パキスタンに対する債務救済措置について

平成13年10月5日

  1. わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府に対する債務救済措置(債務繰延方式)に関し、同国政府との間で交渉を行ってきた結果、このほど繰延金利を含む繰延条件の細目につき合意に達したので、このための書簡の交換が10月5日(金)、イスラマバードにおいて、わが方沼田貞昭在パキスタン大使と先方エヘサン経済省次官との間で行われた。

  2. この債務救済措置は、米国における同時多発テロへの対応に関する措置のうち、特にパキスタンに対する緊急の経済支援の一環でもある。

  3. 今回の債務救済措置の内容は次のとおりである。

    (1)繰延対象債務

    (イ)パキスタン政府が国際協力銀行に対して負う債務
    (i)円借款の供与に関してパキスタン政府と海外経済協力基金(以下「旧基金」という。)との間で1997年9月30日より前に締結された借款契約に基づいて支払われる債務のうち、2000年12月1日から2001年9月30日までの間に弁済期限の到来する元本および契約上の利子(2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子を含む)。
    (ii)円借款の供与に関してパキスタン政府と日本輸出入銀行(以下「旧輸銀」という。)との間で1997年9月30日より前に締結された借款契約または円借款債務の繰延に関してパキスタン政府と旧輸銀との間で締結された債務繰延契約に基づいて支払われる債務のうち、2000年12月1日から2001年9月30日までの間に弁済期限の到来する元本および契約上の利子(2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子を含む)。
    (iii)アンタイド・ローンの供与に関してパキスタン政府と旧輸銀との間で1997年9月30日より前に締結された借款契約に基づいて支払われる債務のうち、2000年12月1日から2001年9月30日までの間に弁済期限の到来する元本および契約上の利子(2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子を含む)。
    (iv)パキスタン政府と関係民間銀行との間で契約され、旧輸銀によって保証された債務のうち、2000年12月1日から2001年9月30日までの間に弁済期限の到来する元本および契約上の利子(2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子を含む)。

    (ロ)パキスタン政府が日本国食糧庁に対して負う債務
     1970年11月13日付け二国間取決めにて言及されている日本国食糧庁とパキスタン政府との間で締結された日本米の売買契約に基づいて支払われる債務のうち、2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子。

    (ハ)日本国政府が保険を引き受けた商業上の債務
     パキスタンの債務者と日本国の債権者との間で1997年9月30日より前に契約され、日本国政府が保険を引き受けた弁済期間が一年を超える商業上の債務のうち、2000年12月1日から2001年9月30日までの間に弁済期限の到来する元本および契約上の利子(2000年11月30日以前に弁済期限の到来した未払いの元本および契約上の利子を含む)。

    (2)繰延対象債務総額 約645億5,629万円

    (イ)国際協力銀行関係債務
    (i)旧基金による円借款分 約504億5,946万円
    (ii)旧輸銀による円借款分 約29億8,880万円
    (iii)旧輸銀によるアンタイドローン分 約79億6,044万円
    (iv)旧輸銀による保証分 約16億2,419万円

    (ロ)日本国食糧庁関係債務 約4億7,023万円

    (ハ)商業上の債務 約10億5,313万円


    (3)返済方法

    (イ)国際協力銀行関係債務
    (i)旧基金および旧輸銀による円借款分
    2011年11月1日に始まる20回の均等半年賦払。
    (ii)旧輸銀によるアンタイド・ローン分および保証分
    2004年11月1日に始まる30回の半年賦払。

    (ロ)日本国食糧庁関係債務
    2011年11月1日に始まる20回の均等半年賦払。

    (ハ)商業上の債務
    2004年11月1日に始まる30回の半年賦払。


    (4)繰延金利

    (イ)国際協力銀行関係債務
    (i)旧基金による円借款分  年1.8%
    (ii)旧輸銀による円借款分  年2.7%
    (iii)旧輸銀によるアンタイドローン分  年3.4%
    (iV)旧輸銀による保証分  年3.4%

    (ロ)日本国食糧庁関係債務
    (i)書簡交換日の前日までの間  年9.855%
    (ii)書簡交換日以降  年3.0%


    (ハ)商業上の債務
    年長期プライムレート

    +1.0%


  4. この債務救済措置は、2001年1月22日および23日にパリで開催されたパキスタン債権国会議における申し合わせに基づいて実施されるものである。

  5. なお、わが国政府は、1998年5月のパキスタンによる核実験実施を受けて、同国に対する新規円借款の停止を含む経済措置をとっているが、今回の債務救済措置は、当該経済措置の対象ではない。
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