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パキスタンに対する円借款の供与について

平成13年7月24日

  1. わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府に対し、継続案件である「コハット・トンネル建設計画(II)」について、総額40億3,200万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が、7月24日(火)、イスラマバードにおいて、わが方沼田貞昭在パキスタン大使と先方ナヴィード・エヘサン経済省次官との間で行われた。

  2. 対象案件

     コハット・トンネル建設計画は、パキスタンを南北に縦断する国道55号線の中で、コハット峠(北西辺境州)が急勾配や急カーブのために通行上の制約となっているところ、コハット・トンネル(全長1,885m)等を新設し、大型車両の通行、交通渋滞の緩和および安全性の確保を図ろうとするものであり、1994年度に第I期分として供与した54億3,700万円の円借款資金により既に工事が実施されている継続案件である。第I期分の資金のみでは近日中に資金不足により工事が中断し、これまで行ってきた工事等(わが国からの借款供与)が無駄になり、これら計画に関与している企業等にも大きな損害を与えるおそれがあることから、本計画を完成させるため、今般円借款を継続実施することとしたものである。

    (1)対象案件の円借款供与限度額
    40億3,200万円
    (2)供与条件
    (イ)金利:年1.8%
    (ロ)償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
    (ハ)調達条件:一般アンタイド


  3. わが国政府は、1998年5月のパキスタンによる地下核実験以来、ODA(政府開発援助)大綱に基づく対パキスタン措置の一部として新規円借款を停止し、新たな案件に対しては円借款を供与しないこととしているが、既に実施中の継続案件については当該停止措置の対象としていない。今回の円借款は、継続案件に対する追加的供与を行うものであり、これまでわが国がとってきた前述の措置を緩和・変更するものではない。
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