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モロッコに対する円借款の供与について

平成13年6月13日

  1. わが国政府は、モロッコ王国政府に対し、「地中海道路建設計画」(Mediterranean Road Construction Project)のための総額127億6,400万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が6月13日(水)、ラバトにおいて、わが方佐藤裕美在モロッコ大使と先方ウアラルー経済・財政・民営化・観光大臣(Fathallah Oualalou, Ministre de l' Economie, des Finances, de la Privatisation et du Tourisme)との間で行われた。

  2. 案件の概要

     モロッコ北部地域地中海沿岸のタンジェ~サイディア間550Km、全7区間のうち、テトゥアン~ジェブハ間(現在133Km)につき既存道路の拡幅・強化および線形改良に伴う一部新規道路建設を行うもの。

  3. 供与条件は次の通り。

    (イ)金利 : 年2.2%(コンサルタント部分については年0.75%)
    (ロ)償還期間: 30年(10年の据置期間を含む)
    (コンサルタント部分については40年(10年の据置期間を含む))
    (ハ)調達条件: 一般アンタイド(コンサルタント部分については二国間タイド)

  4. 本件円借款の意義

    (1)モロッコは、構造改革努力にもかかわらず、依然として(1)都市部と地方間、富裕層と貧困層の格差、(2)干ばつおよび主要産品たる燐鉱石の国際価格に大きく左右される経済の脆弱性、(3)高い失業率、という課題を抱えている。(1)については、地方を中心とした、地域住民が裨益するような社会インフラ整備、(2)については、農業部門では天候の影響を抑えるため灌漑設備等の整備、また輸出産業育成につながる投資の促進のための経済インフラ整備、(3)については経済のレベルアップによる雇用創出努力が必要である。

    (2)今次借款対象案件である「地中海道路建設計画」は、比較的開発の遅れている北部地域において基礎的経済・社会インフラたる基幹道路を整備することにより、地域住民の交通の便を向上させるとともに、地方経済の活性化を促すことを目的とするものである。また、地域間格差の是正にも資するものと期待されている。

    (3)わが国とモロッコの関係は近年緊密化している。また、モロッコは地中海・中東地域において地政学上重要な位置を占めており、中東和平プロセスにおいても、穏健なアラブ国家として独自の役割を果たしている。従って同国の安定は地域の安定と平和にとって重要である。わが国の円借款により同国の経済構造調整を支援していくことは、同国の安定、地域全体の平和と安定に大きく資するものであり、その意義は大きい。

  5. 今回の円借款の供与により、これまでにわが国がモロッコに対して供与した円借款の総額は1,538億5,000万円となる。
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