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モーリタニアの「キファ市飲料水供給施設整備計画(詳細設計)」ほか1件に対する無償資金協力について

平成14年1月31日

  1. わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「キファ市飲料水供給施設整備計画(詳細設計)」の実施に資することおよび「債務救済のための無償援助」として、総額1億9,156万3,000円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月31日(木)セネガル共和国のダカールにおいて、わが方古屋昭彦在モーリタニア大使(セネガルにて兼轄)と先方モハメド・アブデルラヒマン・ウルドゥ・モワン在セネガル・モーリタニア大使(Monsieur Mohamed Abderrahmane OULD MOINE, Ambassadeur de la Repubulique Islamique de Mauritanie au Senegal)との間で行われた。

    (1) 「キファ市飲料水供給施設整備計画(詳細設計)」
    (Projet d'amenagement des installations d'approvisionnement en eau potable dans la ville de Kiffa)
    供与限度額:3,500万円

    (2) 「債務救済のための無償援助」
    供与額:1億5,656万3,000円


  2. (1)「キファ市飲料水供給施設整備計画(詳細設計)」

     モーリタニア内陸の都市キファ市は、70年代から80年代にかけて起こった干魃の影響で流入した遊牧民が定住化して人口が急増し、人口1万人の小都市から8万3,000人(2001年)を抱える同国第3の都市に成長した。このような急激な人口増加にもかかわらず、キファ市のインフラ整備は、同国政府の厳しい財政状況の下で遅れており、特に生活の基盤となる飲料水供給施設は未整備で、住民は飲料水を既存の浅井戸および水売りの行商に依存している。また、水量が絶対的に不足している上、水源の浅井戸の汚染が急激に進んでおり、このままの状態では住民の保健・衛生環境のさらなる悪化が懸念される。

     このような状況を打開するため、モーリタニア政府は1994年、キファ市の飲料水供給施設の整備をわが国に対して要請した。わが国は、同市における給水システムを建設するための水源および水量等を確認するため、1997年、1998年に開発調査を実施した。その結果、将来の人口増加を考慮してもなお十分な水源および水量が確認され、優先的計画として2005年の予想人口に対応する給水計画が策定された。

     このような状況の下、モーリタニア政府は、この開発調査の結果を踏まえて、深井戸を水源とする配水施設の建設・整備および地域住民参加型の施設の維持管理体制の確立をめざす「キファ市飲料水供給施設整備計画」を策定し、この計画のための詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)「債務救済のための無償援助」

     この無償資金協力は、モーリタニア政府が1998年3月31日までにわが国政府と行った円借款取決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、平成14年度9月から10月期に返済期限の到来した元本および約定利息のうちの返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
     この無償資金協力により贈与する資金は、モーリタニアの経済の発展と国民福祉の向上のために必要な生産物等の購入のために使用される。
     1978年3月、国連貿易開発会議(UNCTAD)第9回特別貿易開発理事会(TDB)閣僚会議が開催され、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国がこれらの開発途上諸国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置をとるよう努力すべき旨の決議が採択された。この無償資金協力は、この決議に鑑み、モーリタニアとわが国の友好協力関係を強化することを目的として、わが国の無償資金協力の一環として実施するものである。
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