
南アフリカの「クワズール・ナタール州医療施設向上計画」に対する無償資金協力について
平成14年1月17日
- わが国政府は、南アフリカ共和国政府に対し、「クワズール・ナタール州医療施設向上計画(the Project for Improvement of the Health Facilities in the KwaZulu-Natal Province)」 の実施に資することを目的として、10億4,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月16日(日本時間17日)、プレトリアにおいて、わが方榎泰邦在南アフリカ大使と先方チャバララ・ムシマング保健大臣(Dr. M. E.Tshabalala-Msimang, Minister of Health of the Republic of South Africa)との間で行われた。
- 南アフリカでは、1994年に全人種参加の民主的選挙によりマンデラ政権が成立したが、長きにわたったアパルトヘイト政策の結果としてもたらされたあらゆる面での人種的格差は極めて大きい。旧ホームランドをはじめとする黒人居住地域では医療施設および医療従事者の不足、機材の老朽化が深刻であり、エイズ、結核等の感染症や、栄養不良等の疾病が蔓延している。
中でもクワズール・ナタール州は南アフリカでも最貧困州の1つであり、劣悪な医療体制により、乳児死亡率等の保健医療指標は全国平均に達していない。
このような状況の下、南アフリカ政府は、クワズール・ナタール州の中でも、多くの旧ホームランドを含むDC28地区において「クワズール・ナタール州医療施設向上計画」を策定し、この計画のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、クワズール・ナタール州DC28地区において地域保健センターが建設され、地区病院、クリニック等に機材が供与されることで、当地区の医療診療活動が向上し、76万人の住民が良質かつ適切な治療を受けられるようになる。
(参考)ホームランドとは、旧白人体制下におけるアパルトヘイト政策に基づく黒人自治地域のこと。1994年の南ア民主化時に4つの独立ホームランドと6つの自治ホームランドがあった。(総面積は南ア全土の13%)