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ケニアの「アティ橋・イクサ橋架け替え計画」ほか1件に対する無償資金協力について
~地方の交通事情改善および食糧安定供給のための支援~

平成14年1月14日

  1. わが国政府は、ケニア共和国政府に対し、「アティ橋・イクサ橋架け替え計画」および「食糧増産援助」の実施に資することを目的として、合計7億2,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月14日(月)、ナイロビにおいて、わが方細谷龍平在ケニア臨時代理大使と先方クリストファー・オブレ大蔵大臣(Christopher M. Obure, Minister for Finance)との間で行われた。

    (1) アティ橋・イクサ橋架け替え計画: 2,700万円
    「the project for Reconstruction of Athi Bridge and Ikutha Bridge」
    (2) 食糧増産援助: 7億円
    「Grant aid for increase of food production」


  2. 「アティ橋・イクサ橋架け替え計画」

     ケニアでは、物流の大部分を道路輸送に依存しており、第8次国家開発計画(1997から2001)の中でも道路・橋梁整備は重点分野となっている。この計画の一環として地方道路網修復計画を策定し、基礎的な運輸条件の提供、道路事業の実施とその波及効果による雇用の増加、道路事情の改善による投資・開発の促進、行政の効率性の確保を目標にしている。
     しかし、1997年10月にエルニーニョ現象の影響によるとみられる異常降雨があり、インド洋沿岸地方で多くの中小橋梁が流失した。1998年に入っても雨期はすぐには明けず、その結果、ケニア中部・西部において多くの中小道路橋梁が流失し、一部は公共事業省によって応急処置されたが、多くの箇所は十分な措置がされないまま放置され道路交通上の障害となっている。
     特に、東部州キツイ郡は、ケニア有数の農業地帯で、とうもろこし、バナナ、豆、綿花を栽培しているほか、畜産や酪農も盛んであり、ナイロビ市およびモンバサ市への農産・畜産物の出荷地となっている。しかし、キツイ郡とモンバサ市を結ぶ交通の要所となっている準幹線道路であるB7号線上に、アティ橋およびイクサ橋が位置しているが、異常降雨の被害を受けている。イクサ橋は橋自体の流出は免れたものの、橋脚部が被害を受けており修復が必要とされており、アティ橋は橋そのものが流失し、現在はベイリー橋が臨時に架橋されているものの、車線が不足している等交通に支障を来たしており、恒久的な橋梁の架設が望まれている。
     このような状況の下、ケニア政府は、東部州において、異常降雨による被害が大きくかつ復旧による裨益効果の大きいアティ橋・イクサ橋の復旧を目的とした「アティ橋・イクサ橋架け替え計画」を策定し、この計画の実施のための橋梁の架け替えに係わる詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 「食糧増産援助」

     ケニアにおいて農業は、GDP(国内総生産)の約30%、総就労人口の約77%を占める基幹産業となっている。他方、国土の13%に過ぎない耕作適地に総人口の75%が集中し、新たな耕作地の拡大が困難であるため、近年、農業生産は停滞傾向にある。ケニア国政府は、2010年までに主要食用作物の自給達成を目標として、農機、肥料、農薬等の投入により、限られた耕地の生産性向上を図り、単位面積当たりの収量の増加に取り組んでいる。
     このような状況の下、ケニア政府は主要食用作物の生産性向上のために使用する農機、肥料、農薬の購入に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
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