
モンゴルの「消防機材および維持修繕作業施設改善計画」に対する無償資金協力について
平成14年3月29日
- わが国政府は、モンゴル国政府に対し、「消防機材および維持修繕作業施設改善計画」(the project for Improvement of Fire Fighting Equipment and Maintenance Workshop)の実施に資することを目的として、7億3,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月29日(金)、ウランバートルにおいて、わが方花田麿公在モンゴル大使と先方エルデネチョローン外務大臣(Luvsangiin Erdenechuluun, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。
- 近年のモンゴルにおける急激な都市化により、首都ウランバートル近郊の人口は約78万人にも膨れ上がり、人口増加は現在も続いている。こうした急激な人口増加に対応するため、ウランバートル近郊では場当たり的な建物の建設が行われており、その結果として火災に対して無防備な住宅密集地域が急増している。また、高層建築物や工場等も増加しており、大規模火災の発生も懸念されている。実際に、2000年のウランバートルにおける年間火災発生件数は1,000件を越え、1995年の2倍程度にまで増加していることから、ウランバートルの消防機能向上は、モンゴルにおける重要な課題の一つとなっている。しかしながら、ウランバートルの消防署が所有している消防車両や機材の多くは老朽化が激しく、最低限の消防活動さえ極めて困難な状況にある。
このような状況の下、モンゴル政府は「消防機材および維持修繕作業施設改善計画」を策定し、この計画のための緊急に更新が必要な消防車両を含む消防機材とこれらの維持修繕のための機材整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ウランバートルの消防機能が向上し、発生した火災に対して適切かつ迅速に対応可能となり、火災による被害を軽減することが可能となる。また、ウランバートル近郊の住民約78万人の安全の確保および自然環境資源や財産の保護に寄与することが期待される。