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コンゴ民主共和国の「ポリオ撲滅計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成14年3月22日

  1. わが国政府は、コンゴ民主共和国における「ポリオ撲滅計画」(the project for the Eradication of Poliomyelitis)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、3億800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月22日(金)、キンシャサにおいて、わが方福島清介在コンゴ民主共和国大使と先方フリッズ・レリソン在コンゴ民主共和国・ユニセフ事務局長特別代表(Mr. Fritz LHERISSON, Special Representative of the Executive Director of UNICEF to the Democratic Republicof Congo)との間で行われた。

  2. コンゴ民主共和国では、1998年以来周辺国を巻き込んだ内戦が継続しているが、現在では停戦が概ね遵守されている。こうした中でユニセフは、同年以来、世界保健機関(WHO)等国際機関、諸援助国、NGO(非政府組織)等の支援を受けて、ポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID:National Immunization Days)を続けてきた。ポリオ野生株を有する国の中でもコンゴ民主共和国はとりわけ人口が多い上、度重なる紛争や情勢不安の中で国境内外を移動する難民が周辺国への野生株の感染ルートとなりやすいため、ユニセフは同国をポリオ撲滅計画の重点国として積極的な活動を展開してきた。過去4年間、2,000万人を超える児童に対して1人3回接種を完了して効果を上げており、ポリオ患者の発生に関しては、2000年には603件の症例(うち野生株の症例は28件)が報告されたが、2001年は1件も報告されていない。こうしたNIDの活動を支援するため、わが国も昨年3月に「ポリオ撲滅計画」として2億7,400万円をユニセフに対して拠出し、ワクチン購入費、輸送費等の支援を行った。
     コンゴ民主共和国政府は、2005年まで国内の交通手段の悪い地域および紛争地帯等で重点的に接種活動を展開していくことを予定している。しかしながら、同国が負担できる部分は財政事情等により極めて限られている上、内戦が継続していることから同国政府のみでは実施が不可能な状況であり、諸援助国の援助・協力に頼らざるを得ない状況となっている。
     このような背景の下、コンゴ民主共和国政府およびユニセフは2002年のNID実施のための「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画のためのポリオ・ワクチンの調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. なお、わが国は2000年7月の九州・沖縄サミットにおいて、森喜朗前総理大臣より「沖縄感染症イニシアティブ」を発表し、HIV/AIDSおよび結核、マラリア、寄生虫、ポリオ等の感染症対策等にODA(政府開発援助)を通じて今後5年間に総額30億ドルを目途に協力を行う旨表明している。本計画はこうしたわが国のイニシアティブの一環として行われるものである。
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