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カンボジアの「乳幼児死亡率・罹患率低下計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成14年3月22日

  1. わが国政府は、カンボジア王国の「乳幼児死亡率・罹患率低下計画」(the Project for Reducing Infant and Child Mortality and Morbidity in the Kingdom of Cambodia)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、3億800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月22日(金)、プノンペンにおいて、わが方小川郷太郎在カンボジア大使と先方ルイ・ジョルジュ・アルスノ在カンボジア・ユニセフ代表(H. E. Mr. Louis-Georges Arsenault Representative in Cambodia, United Nations Children' s Fund(UNICEF))との間で行われた。

  2. カンボジアにおける乳幼児の健康状態は世界でも最も低い水準にあり、10人に1人が5歳になる前に死亡しており、その数は年間5万5,000人以上にのぼる。その原因は下痢、急性呼吸器感染症の他、破傷風・麻疹等のワクチンで予防可能な感染症である。
     また、深刻な栄養不足がこれらの病気の蔓延や死亡率の高さにつながっており、特にビタミンA、鉄分、ヨード等の微量栄養素の不足が深刻である。
     カンボジアにおいて、1歳以下の乳幼児死亡の約40%は出産後1カ月以内に起こっており、これは母親の健康状態の悪さ、不適切な分娩・新生児のケア、母子保健サービスの欠如に起因している。
     このような状況の下、カンボジア政府はユニセフの全面的な協力を得つつ、母子保健サービスの向上を目的とする「乳幼児死亡率・罹患率低下計画」を策定し、基礎的な医療保健サービスを改善し、乳幼児死亡率の低減、妊産婦死亡率の低減を達成するために、ワクチン接種の拡大、微量栄養素の配布、州病院、村落レベルのヘルスセンターへの基礎医薬品、基礎医療機材の供与、妊産婦への啓蒙活動、保健婦・助産婦等のスタッフの研修などを積極的に進めている。しかしながら、現時点ではプロジェクト推進のための資金が大幅に不足しており、援助に依存せざるを得ない状況である。
     このため、カンボジア政府およびユニセフは、感染症ワクチン、ヨードカプセル、基礎医薬品、基礎医療機材、安全分娩キット、ヘルスセンタースタッフの研修、モニタリングに必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、カンボジアにおける感染症対策・エイズ対策を含めた乳幼児医療サービスの利便性、質の向上および妊娠時および出産時のケアが向上し、乳幼児の死亡率・罹患率が低下するとともに、妊産婦の栄養状況が改善され、疾病予防対策が強化されることが期待される。

  4. なお、わが国は同国の母子保健分野を対象として、平成7年度よりプロジェクト方式技術協力を実施中(現在は第2フェーズ)であり、わが国無償資金協力にて建設された母子保健センターを中心に母子保健の状況改善に向けた取り組みが行われている。
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