
モーリタニアに対する無償資金協力(食糧援助ほか1件)について
平成14年3月15日
- わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、総額6億5,000万円を限度とする額の無償資金協力(食糧援助および食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が3月15日(金)、セネガル共和国のダカールにおいて、わが方古屋昭彦在モーリタニア大使(セネガルにて兼轄)と先方モハメッド・レミン・ウルド・エル・ハジ・シディ在セネガル・モーリタニア臨時代理大使(Monsieur Mohamed Lemine OULD EL HADJ SIDI, Charge d'affaires a. i. de la Republique islamique de Mauritanie au Senegal)との間で行われた。
(1)「食糧援助」 |
供与限度額: |
2億5,000万円 |
(2)「食糧増産援助」 |
供与限度額: |
4億円 |
- モーリタニアでは、農水産分野が労働人口の約53%を占め、国内総生産(GDP)の約27%を生産する基幹産業である。主要食糧作物としては、米、ソルガム、トウモロコシ、ミレット、ニエベ等が栽培されている。しかし、国土の大部分(約85%)が砂漠に覆われている同国では、可耕地は南部のセネガル川流域の他になく、国土の僅か0.5%に留まっており、慢性的に食糧不足が続いており、食糧自給率も著しく低い。
加えて、近年の砂漠化の進行と耕地の疲弊、例年の旱魃、バッタ等の虫害、クエラ鳥等の鳥害によって主要穀物生産は停滞している上、約3%の高い人口増加率もあって構造的な食糧不足に陥っており、国内消費の約60%を輸入に依存している。
このような状況の下、モーリタニア政府は98年、米、ソルガム等主要食糧作物の土地生産性の向上を目的とした「農村開発政策・戦略」を策定して、肥料、農薬、農業機械等の生産資機材の供給と中小農民に対する栽培技術の改善指導を図っている。また、99年の「国家開発計画」においては食糧安全保障が目標に据えられた。近年は、虫害、鳥害の被害を最小限におさえるべく、国家的防除対策を実施して農薬散布も行っている。
このような背景から、モーリタニア政府は、食糧不足に伴う米の購入に必要な資金、および国内の土地生産性の向上による食糧増産を図るための農業機械、農器具および農薬を購入するための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。