
中国の「重慶母子保健医療機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年3月4日
- わが国政府は、中華人民共和国政府に対し、「重慶母子保健医療機材整備計画(the project for Improvement of Equipment for Maternal and Child Health Care in Chongqing)」の実施に資することを目的として、11億4,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月4日(月)、北京において、わが方阿南惟茂在中国大使と先方龍永図対外貿易経済合作部首席交渉代表(Long Yongtu, Chief Representative for Trade Negotiation, Ministry of Foreign Trade and Economic Cooperation)との間で行われた。
- 中国の重慶市は、同国南西部、長江の上流域に位置し、面積が約8万2,000km2で北海道の面積とほぼ等しく、人口約3,100万人である。重慶市は中国で北京、上海、天津市に次ぐ4番目の直轄市となっているが、生産性の低い農村部人口が全人口の8割を占め、かつ山地、丘陵面積が90%以上を占める地形的制約もあり、一人当たりGDPは国内平均を大きく下回っている現状にある。
重慶市では、1995年に「重慶市婦幼発展計画」を策定し、母子保健サービスの改善に向けて努力しているが、医療機材の不足、地方の医療従事者の知識不足、地域住民の母子保健に対する低意識もあり、妊産婦死亡率や5歳未満児死亡率は中国全国平均に比して大きく上回っている現状にある。
このような状況の下、中国政府は、重慶市の母子保健を総合的に向上させるための「重慶母子保健医療機材整備計画」を策定し、この計画のための各医療施設のレベル(重慶医科大学附属児童病院、重慶市婦幼保健院、32の区・県婦幼保健院)に応じた診療、教育機能を充実させるために必要な機材(小児用電子内視鏡、新生児モニターなど)の購入のための資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、重慶市における妊産婦、乳幼児の死亡率の低下が期待される。