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パキスタンに対する無償資金協力(セクタープログラム無償資金協力)について

平成14年2月25日

  1. わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府に対し、50億円を限度とする額の無償資金協力(セクタープログラム無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が2月25日(月)イスラマバードにおいて、わが方篠塚保在パキスタン臨時代理大使と先方ナヴィード・エヘサン経済省次官(Mr. Nawid Ahsan, Secretary, Ministry of Finance and Economic Affairs Division)との間で行われた。

  2. パキスタンは、1998年5月の核実験以降、IMF(国際通貨基金)等の国際金融機関からの融資停止および主要援助国からの援助停止等の措置を受け、国内経済が危機的な状況に陥った。2000年11月、国際収支支援のためのIMF融資が承認されたことなどにより、一時の危機的な状況を脱したが、依然として慢性的な経済困難に直面している。とりわけ昨年9月の米国同時多発テロ事件発生以降、経済活動の大幅な落ち込みや財政負担の増大など経済的困難の深刻化に直面している。なお、パキスタンでは、2001年12月には暫定版・貧困削減戦略ペーパー(I-PRSP)がIMF理事会により承認され、現在では2002年内に完全版PRSPを策定するべく、マクロ経済の安定化、開発重点セクター(農業および工業分野)の成長、保健・教育分野に重点を置いた貧困削減の実施に取り組んでいる。

  3. 今回のセクタープログラム無償資金協力は、パキスタンの構造調整計画の実施を支援するもので、パキスタン政府が経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。また、現地通貨ルピーで積み立てられる見返り資金は、教育分野の支援のために使用される。

  4. 今般、わが国政府は、パキスタンの平和構築への努力を支持するとともに、隣国アフガニスタンの恒久的平和と安定を実現するためには周辺諸国の協力が不可欠であるとの観点から、テロとの闘いに取り組む中で困難に直面している同国に対する支援として、1月18日に表明した50億円の支援を実施すべく、同国の要請に応じ、経済構造改善および貧困削減の実施に取り組んでいるパキスタンに対してセクタープログラム無償資金協力を供与することとしたものである。なお、本件は、昨年11月16日に発表したパキスタンに対する追加的経済支援(今後2年程度で3億ドル)の一環として実施するものである。
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