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ニジェールの「マラリア・呼吸器疾患・下痢症疾患対策強化計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成14年2月14日

  1. わが国政府は、ニジェール共和国政府に対し、「マラリア・呼吸器疾患・下痢症疾患対策強化計画」の実施に資することおよび「債務救済のための無償援助」として総額4億9,772万7,000円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月13日(日本時間14日)ニアメにおいて、わが方黒川祐次在ニジェール大使と先方アイシャトゥ・ミンダウドゥ外務・協力・アフリカ統合大臣(Madame Aichatou MINDAOUDOU,Ministre des Affaires Etrangeres, de la Cooperation et de l'Integration Africaine) との間で行われた。

    (1) 「マラリア・呼吸器疾患・下痢症疾患対策強化計画」
    (Projet de renforcement en medicaments et materiels pour la lutte contre le paludisme et les maladies respiratoires et diarrheiques)
    供与限度額:4億1,300万円

    (2) 「債務救済のための無償援助」
    供与額:8,472万7,000円


  2. (1)「マラリア・呼吸器疾患・下痢症疾患対策強化計画」 後発開発途上国であるニジェールの保健医療事情は、5歳未満児の死亡率が 1000人あたり275人と世界で3番目に高く(サハラ以南のアフリカの平均173人)、乳児死亡率も1000人あたり162人(同平均107人)と極めて劣悪な状況にある。その乳幼児の主要死亡原因は、マラリア、下痢症、呼吸器疾患(特に肺疾患)、栄養失調などが挙げられるが、特にマラリアは乳幼児および妊産婦に最も多大な被害を与えている。また、5歳未満児では下痢症が罹患率の1位となっており、次いで呼吸器疾患が多い状況にある。
     このような状況を改善するため、ニジェール政府はマラリア・急性呼吸器疾患・下痢症対策における国家計画を策定した。同政府は特にマラリア対策については「マラリア対策国家計画(2001-2005)」を重点課題と位置付け、またWHO(世界保健機関)およびユニセフ(国際児童基金)と共同でマラリア、急性呼吸器疾患、下痢症、麻疹、栄養不良を対象とした「小児疾患統合対策」を実施中である。しかしながら、ニジェールの財政事情の逼迫から必要な資機材の不足、老朽化が顕著であることから、マラリア・呼吸器疾患・下痢症に起因する罹患率および死亡率はなお極めて高い状況にある。
     このような状況の下、ニジェール政府は、マラリア、下痢症および呼吸器疾患を中心とした保健医療体制強化を目的とする「マラリア・呼吸器疾患・下痢症疾患対策強化計画」を策定し、この計画の実施に必要な医薬品および医療関係資機材を購入するための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (2)「債務救済のための無償援助」

     この無償資金協力はニジェール政府が1988年3月31日までにわが国政府と行った円借款取り決めに従って締結された借款契約に基づき負っている債務のうち、平成13年度7月~8月までに返済が到来した元本および約定利息のうちの返済額に相当する額を供与するもので、債務救済措置の一つである。
     この無償資金協力により贈与する資金はニジェールの経済の発展と国民福祉向上のために必要な生産物などの購入のために使用される。
     1978年国連貿易開発会議(UNCTAD)第9回特別貿易開発理事会(TDB)閣僚会議が開催され、多くの開発途上国が深刻な債務返済問題に直面していることから、先進諸国が、これらの開発途上諸国に対する過去の二国間政府開発援助(ODA)の条件を調整する措置、またはその他同等の措置をとるよう努力すべき旨の決議が採択された。今回の無償資金協力はこの決議に鑑み、ニジェールとわが国の友好協力関係を強化することを目的として、わが国の無償資金協力の一環として実施するものである。
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