
カンボジアの「プノンペン市洪水防御・排水改善計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
平成14年2月6日
- わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「プノンペン市洪水防御・排水改善計画(詳細設計)」(the Project for Flood Protection and Drainage Improvement in the Municipality of Phnom Penh -Detail Design)の実施に資することを目的として、6,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月6日(水)、プノンペンにおいて、わが方小川郷太郎在カンボジア大使と先方ハオ・ナムホン上級大臣兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong, Senior Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。
- カンボジアの首都であるプノンペン市は、メコン川の氾濫原に発達した都市であり、排水が困難かつ内水湛水しやすい地形であるため、雨期の集中豪雨により市内各所で湛水被害が生じている。
フランス植民地時代から整備・維持されてきたプノンペン市内の治水・排水施設は、20年に及ぶ内戦以降、殆ど維持管理がなされず放置されてきたため、これら施設の機能は著しく低下しており、被害拡大の原因の一つとなっている。
このような現状を打開するため、プノンペン市はアジア開発銀行(ADB)などからの資金を導入して排水路の改修、排水機場の増設などを実施しているが、まだ市内の一部地域に限られている。
このような状況の下、カンボジア政府は、プノンペン市の洪水、内水被害を軽減し、民生の安定と首都機能の維持を図るため、主にプノンペン市南部におけるプノンペン市の外郭堤防の補強、排水路、排水機場の改修・整備を行うことを目的とした「プノンペン市洪水防御・排水改善計画」を策定し、この計画の実施のための詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、大規模な洪水が来た場合でも、プノンペン市南側からの外水の浸入を防ぐとともに、プノンペン市の内水被害を大幅に減少させることが期待される。