
モーリタニアの「国立水産海技学校拡充計画」に対する無償資金協力について
平成13年12月11日
- わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「国立水産海技学校拡充計画(Projet d'extension de l'Ecole Nationale d'Enseignement Maritime et des Peches)」の実施に資することを目的として、6億300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月11日(火)、セネガル共和国のダカールにおいて、わが方古屋昭彦在モーリタニア大使(セネガルにて兼任)と先方モハメド・アブデルラヒマン・ウルドゥ・モエン在セネガル・モーリタニア大使(Mohamed Abderrahmane OULD MOINE, Ambassadeur de la Republique Islamiquede Mauritanie au Senegal)との間で行われた。
- モーリタニアの沿岸水域は世界的にも良好な漁場が形成されており、水産物の輸出は同国の輸出総額の50から60%を占める最大の外貨獲得源となっている。また、同国の国家開発計画である公共投資計画(1998年から2001年)において、主要な外貨獲得源である水産分野が経済成長の目標値達成の大きな役割を果たすことが期待されている。
同国漁業は大別して零細漁業および商業漁業に分けられ、前者において水産物加工・衛生管理技術者が不足していることが、水産物加工の生産性向上の妨げになっており、これが最大の輸出相手国であるEU(欧州連合)のHACCP(危険分析重要管理点)への対応を困難にしている。後者に関しては、1971年に船員養成の必要性から船員養成職業学校(1991年国立水産海技学校に改名)が設立され、一般船員養成が継続的に行われていた。しかし、現在の国立水産海技学校では、保有の機材の老朽化・不足等により十分な教育が出来ない状況にある。
このような状況の下、モーリタニア政府は、国立水産海技学校で行われている漁業従事者への教育・訓練プログラムの拡充、強化を図ることを目的に、「国立水産海技学校拡充計画」を策定し、この計画のため零細漁業、水産加工分野および商業漁業分野における人材育成に必要な施設、機材の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。