
モロッコの「水産物開発技術センター建設計画」に対する無償資金協力について
平成13年12月4日
- わが国政府は、モロッコ王国政府に対し、「水産物開発技術センター建設計画(PROJET DE CONSTRUCTION DU CENTRE SPECIALISE DE TECHNOLOGIE ET DE VALORISATION DES PRODUITS DE LA MER)」の実施に資することを目的として、 11億2,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月4日(火)、ラバトにおいて、わが方佐藤裕美在モロッコ大使と先方サイド シバアトゥ漁業大臣(SAID CHBAATOU, MINISTRE DES PECHES MARITIMES)との間で行われた。
- モロッコ政府は、国民のタンパク源の確保、地域振興、雇用の創出を目標とした漁業振興を重要政策に掲げており、海洋漁業省が策定した「漁業社会開発5カ年計画(2000?2004年)」においては、水産物の加工技術開発・普及を行い、水産物に付加価値をつけることによって、品質管理された水産物の需要拡大を図り、水産資源の有効活用を目指している。
同国において、漁獲量全体の70%を占める沿岸漁業は、その開発整備が遅れており、特に漁獲物の加工技術は手付かずの状況となっている。また、モロッコの水産物の最大の輸出先であるEU(欧州連合)をはじめとして世界各地で導入され始めているHACCP(危害分析重要管理点)対応も遅れており、同国においては沿岸漁業の開発、特にその漁獲物に付加価値をつけ有効活用することが、この計画の中でも最優先で着手すべき課題となっている。
このような状況の下、同国政府は、水産加工技術の向上により水産加工品の多様化を図り、国際市場に耐えうるよう水産物の品質管理と競争力を確保するとともに、国内市場における水産物の需要拡大を図ることを目的に「水産物開発技術センター建設計画」を策定し、この計画のための同センターの建設および水産物加工機材等の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、付加価値のついた多様な水産加工品が市場に出回ることで水産加工品に対する国内需要が喚起されるともに、輸出の増大が図られ、漁業関係者の生活水準の向上が期待される。