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南アフリカの「第二次東ケープ州小・中学校建設計画」ほか1件に対する無償資金協力について

平成13年9月10日

  1. わが国政府は、南アフリカ共和国政府に対し、「第二次東ケープ州小・中学校建設計画」および「クワズール・ナタール州小・中学校建設計画」の実施に資することを目的として、総額14億8,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月10日(月)、ケープタウンにおいて、わが方榎泰邦在南アフリカ大使と先方アズマル教育大臣(The Honourable Prof. Kader Asmal MP, Minister of Education)との間で行われた。

    (1) 「第二次東ケープ州小・中学校建設計画」 6億7,500万円
    (the second Project for Construction of Primary and Junior Secondary Schools in the Eastern Cape Province)
    (2) 「クワズール・ナタール州小・中学校建設計画」 8億600万円
    (the project for Construction of Primary and Junior Secondary Schools in the Kwazulu-Natal Province)


  2. 南アフリカでは、1994年に全人種参加の民主的選挙によりマンデラ政権が成立したが、長きにわたったアパルトヘイト政策の結果としてもたらされたあらゆる面での人種的格差は極めて大きい。旧ホームランド(注)をはじめとする黒人居住域では学校の教室不足が深刻なうえ、学校校舎の質も劣悪であり、机、椅子等の基本的な備品も欠けており、学校教育を行う基本的条件が全く満たされていない状況である。その結果、黒人の教育水準は低い状態にとどまっており、社会的地位の向上もなかなか進んでいない。
     このような状況の下、南アフリカ政府は、旧ホームランドを含む貧困州である東ケープ州とクワズール・ナタール州において「第2次東ケープ州小・中学校建設計画」および「クワズール・ナタール州小・中学校建設計画」を策定し、この計画のための小・中学校の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 以上2件の計画の実施により、東ケープ州においては20校179教室が建設されることで、8,337人の児童の学習環境が大幅に改善する。クワズール・ナタール州においては27校215教室が建設されることで、2万2,196人の児童の学習環境が大幅に改善する。また教員室、倉庫といった管理施設が整備されることで、学校の運営体制が改善する。全学校に簡易浄化槽付き便所、雨水タンクが設置されることで、学校の衛生環境が大幅に改善し、児童に対する衛生教育が可能となる。計画対象地域の小中学生のほとんどを占める黒人の教育水準が向上することで、教育分野における人種間格差の改善、ひいては貧困の救済が期待される。

    (注)ホームランドとは、旧白人体制下におけるアパルトヘイト政策に基づく黒人自治地域のこと。1994年の南ア民主化時に4つの独立ホームランドと6つの自治ホームランドがあった。(総面積は南ア全土の13%)
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