
ラオスの「人材育成奨学計画」に対する無償資金協力について
平成13年8月27日
- わが国政府は、ラオス人民民主共和国政府に対し、「人材育成奨学計画」(the Project for Human Resource Development Scholarship)の実施に資することを目的として、3億8,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月27日(月)、ビエンチャンにおいて、わが方宮本吉範在ラオス大使と先方ポンサワット・ブーパ外務副大臣(H. E. Mr. Phongsavath BOUPHA Vice Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- ラオスでは、低識字率(56.5%、1995年)、低就学率(中等教育29.0%、96年)、教員養成および行政官能力の不足、教育機関の未整備など教育分野において克服すべき課題が山積している。このため、ラオス政府は、人材育成を長期的な視点で持続的、かつ公正な開発を実現させるための不可欠な課題と認識し、ラオスの人材育成において重要な役割を果たす教育機関の整備を進めている。しかしながら、現在、ラオスにはラオス国立大学しか大学が存在しておらず、近年の多様化するラオスの開発ニーズに対応できない状況が生じている。
このため、ラオスでは他国の教育機関への留学のニーズが非常に高くなっているが、ラオス政府による独自の留学制度はなく、留学は私費留学を除けば、全て豪、仏、独等の援助国の奨学金により実施されている。
このような状況の下、ラオス政府は、人材育成における留学制度の果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、この計画のための現地における事前教育、渡航費、滞在費、学費等の資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
本件は、こうしたラオス政府の要請に対し、一般無償資金協力の枠内で導入されている留学生支援無償により支援を行うものである。これにより、既に日本に留学している留学生20名および来年度新たに日本に留学する約20名の学生が支援を受けることになる。