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ネパールの「シンズリ道路建設計画(第二工区)(2/3期)」ほか1件に対する無償資金協力について

平成13年8月17日

  1. わが国政府は、ネパール王国政府に対し、「シンズリ道路建設計画(第二工区)(2/3期)」および「ヨード添加塩保管施設整備計画(2/2期)」の実施に資することを目的として、合計42億3,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月17日(金)、カトマンズにおいて、わが方小嶋光昭在ネパール大使と先方ビマル・プラサド・コイララ大蔵省事務次官(Mr. Bimal Prasad Koirala, Secretary, Ministry of Finance, His Majesty's Government of Nepal)との間で行われた。

    (1) 「シンズリ道路建設計画(第二工区)(2/3期)」
    (the project for Construction of Sindhuli Road [SectionII :Sindhuli BazarーKhurkot])
     供与限度額 (国庫債務負担行為) 33億1,700万円 
    (平成13年度 3億8,900万円)
    (平成14年度 9億5,700万円)
    (平成15年度 10億100万円)
    (平成16年度 9億7,000万円)


    (2) 「ヨード添加塩保管施設整備計画(2/2期)」
    (the project for Improvement of Storage Facilities of Iodized Salt)
     供与限度額  9億1,600万円


  2. (1)シンズリ道路建設計画(第二工区)(2/3期)

     ネパールでは、労働人口の約80%が農業に従事しており、主な農業地帯はインドとの国境沿いに広がるテライ平原である。この地域から首都カトマンズへの現在の主要ルートは大きく迂回する回り道となっており、また、雨期には地滑り等により度々閉鎖される状況にある。
     このためネパール政府は、シンズリ郡を経由してテライ平原地域とカトマンズを結ぶシンズリ道路の建設に関する実施可能性の調査をわが国に要請し、わが国政府は昭和61年度から63年度にかけて開発調査を実施した。
     この調査結果に基づきネパール政府は「シンズリ道路建設計画」を策定し、この計画のための道路の新設等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     本要請を受けわが国は、全長158kmにおよぶ本計画を四工区に分割し、平成7年度から10年度に第一工区(37km)を実施し、また平成9年度から13年度にかけて第四工区(50km)を実施している。
     今次計画は、第二工区2/3期(13.5km)を平成13年度から16年度にかけて実施するものである。
     この計画の実施により、農業生産地と市場とのアクセスが大幅に改善され、地域経済の活性化が図られるものと期待される。

    (2)ヨード添加塩保管施設整備計画

     ヨードは、人体に不可欠な微量元素であり、その欠乏は知能障害、甲状腺腫などの障害をもたらす原因となる。わが国では海藻や魚介類からヨードを摂取しているが、内陸地域等ヨードの欠乏した土地では塩にヨードを添加し摂取するのが一般的である。
     ネパールでは、ヨード欠乏が顕著であり、塩(ほぼ全量をインドから輸入)に添加した形でヨードの摂取を図っているが、インド国境の6カ所に配置されている主要な輸入ヨード添加塩の一時保管倉庫が不足しており、塩を野外に野積みにする結果、降雨、高温、高湿度によりヨードが損失している現状にある。
     また、ネパール国内で現在一般に供給されている岩塩状粗塩は、ビニール包装されていないため、住民が輸送途上で汚れた表面を洗ってから使用する習慣があり、表面に添加されたヨードの大部分が使用時点で流失してしまっている状況にある。
     このような状況の下、ネパール政府は「ヨード添加塩保管施設整備計画」を策定し、この計画のための主要塩倉庫の拡張および塩をビニール包装するための機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、ネパール国内6カ所の塩倉庫の拡張および塩のビニール包装が実現し、ヨード欠乏による各種の疾病を抑えることができるものと期待される。
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