
キリバスの「タラワ環礁電力供給施設整備計画」に対する無償資金協力について
平成13年8月2日
- わが国政府は、キリバス共和国政府に対し、「タラワ環礁電力供給施設整備計画(the Project for Upgrading of Electric Power Supply in Tarawa Atoll)」に資することを目的として、総額12億3,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月2日(木)、フィジー諸島共和国のナンディにおいて、わが方村山比佐斗在キリバス大使(フィジーにて兼轄)と先方ティム・タエキス商業・産業・観光大臣(Honourable Tiim Taekiti Minister for Commerce, Industry and Tourism)との間で行われた。
- キリバスは、中部太平洋に位置し、33の環礁からなる典型的な島嶼国であることから、国家規模が小さく、農業、工業等に適する土地がなく、食品や生活用品等の大部分は輸入に依存している。同国は、広大な200海里水域を有効に活用すべく、水産業を主要産業として経済の発展を図っており、第9次国家開発計画において、経済活性化のためインフラの整備、改善、拡充を重点目標としている。
しかし、首都タラワにおいても、インフラ整備は遅れており、特に病院、学校等の公共施設、冷凍冷蔵庫などの漁業施設等の安定した運営、並びに住民生活の向上に不可欠な電力設備の整備が遅れている。
タラワの電力供給は、全てディーゼル発電で賄われているが、既存の発電施設は20~30年経過し老朽化しており、配電損失は総発電電力量の20%を超え配電容量は常に不足している。
このような状況の下、キリバス政府は、「タラワ環礁電力供給施設整備計画」を策定し、この計画の実施に必要な施設の建設および機材の調達につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、首都タラワに安定的な電力の供給が可能となり、キリバスの経済・社会活動の中心であるタラワ住民生活の向上、社会・公共施設の安定した運営が期待される。