
グルジアの「中核医療施設機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成13年7月12日
- わが国政府は、グルジア政府に対し「中核医療施設機材整備計画」の実施に資することを目的として、4億6,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月12日(木)、トビリシにおいて、わが方廣瀬徹也在グルジア大使と先方アヴタンディル・ジョルベナッゼ労働保健社会大臣(Dr.Avtandil Jorbenadze, Minister of Labour, Health and Social Affairs of Georgia)との間で行われた。
- グルジアは、1991年のソ連邦からの独立後、政治的・経済的混乱などにより、経済が低迷し、予算不足に陥り、それに伴い各種行政サービスの質の低下をはじめとした多くの問題を抱えている。同国の保健医療分野が抱える主な問題点としては、予防措置、早期診断等の不備を原因とする各種保健指標の悪化、医療施設、医療機材の不備等を原因とする保健医療サービスの低下、経済的弱者に対する保健医療サービスの不足等が挙げられる。このような状況を改善するため、グルジア政府は、「保健医療分野最適化計画」を策定し、この計画に基づいて施設整備および機材更新を進めているが、財政難のため、十分な予算が確保できない状況にある。
グドウシャウリ総合病院は、同国の周産期(出産前後のこと)医療に関する中核的医療施設として位置付けられているが、既存の多くの機材は老朽化しており適切な治療が困難な状況にある。また、同国においては、循環器系疾患を患う国民は約20万人近く存在すると見られており、その早急な対策が求められているが、循環器系疾患を扱う救急心臓病センターの機材もほとんどが老朽化しており医療活動の大きな制約となっている。
このような状況の下、グルジア政府は、「中核医療施設機材整備計画」を策定し、この計画のための同国の中核医療施設である2病院を対象とした医療機材の整備に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、より多くの患者に対し早期に適切な診断治療を施すことが可能となり、保健医療サービスの向上につながると同時に、各々の病院において行われている医療従事者への教育を通じて、グルジアの医療水準の向上につながることが期待される。