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ケニアの「西部地域保健センター整備計画(2/2期)」ほか1件に対する無償資金協力について
-地方の医療体制整備およびアフリカの人造りのための支援-

平成13年7月12日

  1. わが国政府は、ケニア共和国政府に対し、「西部地域保健センター整備計画(2/2期)」および「アフリカ人造り拠点整備計画」の実施に資することを目的として、合計23億7,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月12日(木)、ナイロビにおいて、わが方青木盛久在ケニア大使と先方オケモ大蔵大臣(Chrisanthus Okemo, Minister for Finance)との間で行われた。

    (1) 西部地域保健センター整備計画(2/2期) 6億5,300万円
     「the project for Improvement of Health Centers in the Western Part of Kenya」
    (2) アフリカ人造り拠点整備計画 17億2,600万円
     「the project for Construction of African Institute for African Development」


  2. 「西部地域保健センター整備計画(2/2期)」

     ケニアの乳児死亡率は開発途上国の平均を上回っており、特にニャンザ州では開発途上国平均の約2倍と劣悪な状況にある。この地域の疾病内容は、マラリア、エイズ、結核、急性呼吸器疾患などが死亡原因の40~65%、病院入院患者の50~65%を占めており、また幼児については、肺炎・呼吸器感染症、麻疹、下痢症、栄養障害が上位を占めている。特に幼児の疾病は、家庭での適切な処置、早期の診断・治療、予防接種の実施等によって減らすことが可能であり、地域医療体制の整備が望まれている。
     わが国はケニア政府の要請を受けて、平成9、10年度にリフトバレー州およびニャンザ州内の5県に対して開発調査「地域保健医療システム強化計画調査」を実施した。その結果、調査地域に含まれる保健センターは、地域の医療体制の中で重要な役割を担っているものの、十分な医療機材が配置されておらず、また、仮に配置されていたとしても老朽化している場合が多いことが判明した。そのため、保健センターに対する住民の信頼は低く、適切な地域医療体制の構築の妨げになっている。
     このような状況の下、ケニア政府は地域医療体制の向上に資するため、優先度の高い16カ所の保健センターを整備することを目的として「西部地域保健センター整備計画」を策定し、この計画の実施のための施設の建設および医療機材などの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     なお、わが国は、平成12年度に第1期分として1億3,700万円を限度とする額の無償資金協力を実施しており、本件は第2期分となり、これをもってこの計画を終了することになる。
     本件協力によって、第1期分と合わせ対象医療施設の年間外来・入院患者数である約14万8,500人に対して、より質の高い医療サービスの提供が期待される。

  3. 「アフリカ人造り拠点整備計画」

     1998年10月に東京で開催された第2回アフリカ開発会議(TICADII)で採択された行動計画において、わが国政府は、アフリカ地域で成功を収めているわが国の協力拠点を当該地域の人造り拠点と位置付け、重点的に協力していくことを提唱した。そして、ケニアにおいてわが国が20年以上にわたって大きな成果をあげてきたジョモ・ケニアッタ農工大学(JKUAT)を中心に、「アフリカ人造り拠点」(AICAD)を設けて人造りに関する協力を実施していくこととなった。
     AICADは、アフリカの各大学および学術施設の教育・研究機能を実学的な観点から発展させ、アフリカ地域における人材育成開発を加速することを目的に、共同研究開発、人材育成、情報整備・発信の3つの機能を備えることとしており、2000年8月からは、プロジェクト方式技術協力「アフリカ人造り拠点」の実施が開始されている。しかし、JKUATはすでに学生数が超過しており、また、本プロジェクト方式技術協力が研究開発のみならず、研修・普及や情報発信も重視していることから、新たな施設および研修棟、宿泊棟等が必要となっている。
     このような状況の下、ケニア政府はアフリカ人造り拠点を整備することを目的として「アフリカ人造り拠点整備計画」を策定し、この計画の実施のための施設の建設および機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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