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エクアドルの「ロハ州地下水開発計画(第2期)」ほか1件に対する無償資金協力について
-ペルーとの国境地域の開発を支援-

平成13年6月29日

  1. わが国政府は、エクアドル共和国政府に対し、「ロハ州地下水開発計画(第2期)」および「南部国境地方道路整備用機材強化計画」の実施に資することを目的として、合計13億100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月28日(日本時間29日)、キトにおいて、わが方戸田勝規在エクアドル大使と先方ヘインス・メレル・フレイレ外務大臣(Heinz Moeller Freile, Ministro de Relaciones Exteriores)との間で行われた。

    (1) 「ロハ州地下水開発計画(第2期)」
    (El Proyecto para el Desarrollo de Aguas Subterraneas en la Provincia de Loja)
    3億4,300万円
    (2) 「南部国境地方道路整備用機材強化計画」
    (El Proyecto deReforzamiento de los Equipos para el Mejoramiento Vial en las Zonas Frontera Sur)
    9億5,800万円


  2. (1)「ロハ州地下水開発計画(第2期)」

     エクアドルの地方村落地域における給水率は、約30%と極めて低い状況にある。ペルーとの国境地域に位置するロハ州の村落地域においても給水体制の遅れにより飲料水が不足しているため、婦女子が生活用水確保のために遠距離にある河川から水を運搬しており、大きな負担となっている。また、同州には給水手段として、河川のほかに、浅井戸があるが、浅井戸には生活排水などが混入し、下痢、寄生虫などの水因性疾病が発生している。このため同州では、深井戸を建設し、給水事情を改善することが急務となっている。
     このような状況の下、エクアドル政府は「ロハ州地下水開発計画」を策定し、この計画のための深井戸削機材などの購入、井戸および給水施設の建設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     なお、この計画の第2期では、第1期で購入された井戸削機材などを活用してロハ州に7本の井戸および給水施設を建設するものである。
     ペルーとの国境地域は、19世紀より続いていた国境紛争の影響で開発が遅れていたが、1998年に国境紛争が終結したことから、エクアドル政府は国境地域の開発に着手しており、本件協力はこの国境地域の開発を支援するものである。
     この計画の実施により、ロハ州の給水事情が改善するとともに、水因性疾病や乳幼児の死亡率が低下することが期待される。

    (2)「南部国境地方道路整備用機材強化計画」

     エクアドル南部のモロナ・サンチアゴ州およびサモラ・チンチペ州は、同国内でも有数の農業地帯であり、これらの州の地方道路の整備を行うことは、農作物の安定的供給を確実にする上で重要である。しかしながら、これらの州は、ペルーとの国境に隣接しているため、19世紀から続いていた国境紛争の影響で開発が遅れており、地方道路の整備が十分に行われていない。特に雨季には、泥濘化と道路寸断により通行不能となり、農作物の輸送に支障を来し、農村は大きな経済的損失を被っている。また、地域住民が病院への通院、学校への通学等ができない等、これらの州の市民生活にも支障が出ている。このためこれらの州では、地方道路の整備を行うことが急務となっている。
     このような状況の下、エクアドル政府は「南部国境地方道路整備用機材強化計画」を策定し、この計画のための道路整備用機材などの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、モロナ・サンチアゴ州およびサモラ・チンチペ州の地方道路が整備されるとともに、農作物の輸送体制が強化され、これらの州における農業開発が促進されることが期待される。
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